所有権移転視野に検討/トゥリバー地区の開発業者
平良港のトゥリバー地区でホテル建設を計画している特定目的会社SCG15の親会社に当たるセキュアード・キャピタル・インベストメント・マネジメント(本社・東京)が、土地の所有権移転を視野に検討していることが分かった。長濱政治副市長が、3日の市議会一般質問で明らかにした。
長濱副市長は答弁で、開発に着工する期限が来年11月であることを指摘。「会社に対し、事業化への進展が見られないことから、他の事業者へ所有権を移転する考えはないかとの意向を確かめた」と説明し、「先方からは『十分に検討に値する』との返事をいただいた」と話した。
その上で「市としてもトゥリバー地区での事業着手に向け、関心のある企業などに働きかけていきたい」と述べた。
質問した濱元雅浩氏は「所有権移転も視野に入れた新たな展開が出てきたと理解している。今後しっかりと相手の意見を聞きながら、市の主張も伝えてほしい」と述べ、慎重な交渉を求めた。
トゥリバー地区でのホテル建設用地約13㌶は、2007年11月にSCG15へ40億円で売買された。当初契約では契約から2年以内の着工、5年以内の営業開始となっていた。
しかし、08年12月に世界的な経済情勢の悪化などを理由に2年間の延期を要請。また、11年10月には東日本大震災などの影響で2年間の再延長を申し入れ、市は2件とも容認した。
さらに同社は、「当初の開発計画策定時と事業を取り巻く環境が変化している」などを理由に、3度目の延期を打診。市は13年11月7日に同社と「覚書」を交わし、16年までの3年間の延期を認めている。