最高賞はフランス人/みゃ~く方言大会
ケナンさん外国人初/巧みな話術で観衆魅了
第22回「鳴りとぅゆん(鳴り響く)みゃ~く(宮古)方言大会」(主催・宮古島市文化協会)が12日、マティダ市民劇場で行われた。7人の弁士が流ちょうな方言と巧みな話術を披露し、会場を埋め尽くした市民に宮古フツの魅力を余すことなく伝えた。審査の結果、フランス出身で平良在住のセリック・ケナンさん(27)が最高賞の市長賞に輝いた。教育長賞は下地出身で浦添市在住の垣花譲二さん(66)、文化協会長は伊良部の下地政吉さんが受賞した。
発表に先立ち、文化協会の大城裕子会長が宮古フツであいさつ。「美ぎフツをじっくり聞いて、この美ぎフツをどうすれば残せるかをみんなで考えてほしい」と語り掛けた。
来賓あいさつに立った下地敏彦市長は「ぼくの方言はくぱ~くぱだから、うりゃあならん」と話して爆笑を誘った後、標準語で「日ごろの宮古フツ不足のストレスを解消してほしい」と話した。
この後、7人の弁士が発表を行った。3番目に登場したケナンさんは「どこを探してもこんなに素晴らしい言葉はない」と前置きした上で語り出した。
下地の方言に加え、新たに研究を進めている多良間島の方言を使って度肝を抜くと、日々の努力で磨き上げた宮古フツ独特の発音と話術で圧巻のパフォーマンスを披露。テンポ良く、強弱を付けた語りで観衆の視線を一身に集めた。
演題は「宮古(みゃーく)ぬしゅーんま(おじい、おばあ)が話(ぱなす)っさ黄金言葉(くがにくとぅば)」。激動の時代を生き抜いた世代の人々の話す言葉の重さを強調しつつ、ユーモアたっぷりの語りで大爆笑を誘い、審査員から高い評価を得た。
教育長賞の垣花さんは、昨秋の高校野球県大会で沖縄尚学を破った宮総実ナインの話などを披露。応援スタンドの様子をおもしろおかしく語った。
文化協会長賞の下地さんは、軽快な方言と豊かな表現力で伊良部大橋を語り、「これからも伊良部島の発展を願う」と結んだ。
そのほかの弁士も地域に根差した方言を使って楽しい話を発表した。観衆は弁士一人一人の話に大笑いしながら宮古フツの魅力を再確認していた。
最高賞のケナンさんは「勉強の結果が出た」と満足そう。「ぼくを知っている人たちに『ここまでできたよ』って伝えられる」と笑顔だった。
今後も方言を学び続けるという。「(宮古フツは)深いので、ここまで学べたと言っても課題は山ほどある。それを極め、きれいに、豊かにしゃべりたい」と飽くなき向上心を見せた。
結果は次の通り。
市長賞=セリック・ケナン▽教育長賞=垣花譲二▽文化協会長賞=下地政吉▽宮古毎日新聞社賞=砂川勝徳▽宮古新報社賞=與那覇淳▽宮古テレビ賞=玉寄幸代▽宮古島観光協会長賞=木下久美子