久松五勇士 功績と勇気再認識
打電から110周年
「郷土の誇り語り継ぐ」/期成会が祝賀会
久松五勇士が八重山までサバニをこぎ「敵艦見ゆ」の打電から110周年を迎えたことを記念した祝賀会(主催・同期成会)が14日夜、平良久松地区公民館で開かれた。地元をはじめ大勢の市民らが参加。五勇士の偉大な功績と勇気を再認識するとともに、郷土の誇りとして次世代に語り継いでいくことを確認した。
期成会では、五勇士の足跡を後世に継承しようと、1985年には80周年、90年には85周年、2005年には100周年とそれぞれの節目に記念事業を展開してきた。
今回の110周年では▽サバニの修復▽サバニで八重山までの漕破を目指す「平成の五勇士」の再現▽海上自衛隊東京音楽隊記念演奏会-など各種記念事業を実施した。
特に「平成の五勇士」の再現では、石垣島伊原間海岸まで100㌔余の航海を、復元サバニで向かった。しかし、天候悪化のため漕破を断念。伴走船で伊野田漁港に到着し、伊原間公民館で盛大な歓迎を受けた。
祝賀会であいさつした期成会の粟国恒広会長は「先輩方の偉業を過去の出来事とせず、後輩たちに伝えていく事が私たちの責務」と訴え。「平和である現在だからこそ、記念事業を開催できる事を喜び、平和の尊さを語り継ぐ責任がある」と開催の意義を強調した。
下地敏彦市長が来賓あいさつ、市議会の佐久本洋介副議長が乾杯の音頭を取った。
舞台では地元の老人クラブや婦人会などのメンバーが祝宴にふさわしい踊りを披露して盛り上げ。幕間には乾杯の音頭が続き、久松青年会による「久松五勇士」で最高潮に達した。
会場には、五勇士が到着した伊原間地区の住民10人が出席。八重山の伝統的な踊り「五福の舞」を披露した。
五勇士を受け入れる側の実行委員長を務めた根間建有さんは「五勇士の勇気と団結は伊原間でも生き続けている。上陸の碑が公民館の近くあることから、地元では身近な英雄として知られている。今後とも節目節目ごとに交流していければ」、伊原間公民館長の多宇司さんは「歴史が取り持つ縁として、久松地区とはこれからも長い付き合いをしていきたい。節目の祝賀会に参加したことで、五勇士の精神は語り継いでいかなければと強く思った」とそれぞれ語った。