「農業の手本」に学ぶ/農業大学校先進農家派遣
仲本さんら農家で実習
今月1日にスタートした県立農業大学校の先進農家派遣実習。同校の学生4人が宮古の先進農家宅に泊まり込み、実践を通して農業経営を学んでいる。先進農家の働きは「農業の手本」。日々農作業で汗を流し、貴重な体験を重ねている。実習は来月下旬まで続く。
平良福山の砂川寛裕さんは、宜野座村出身の仲本哲海さんを受け入れた。宮古地区における施設園芸の実態を伝えながら、農作業を実践させている。
仲本さんの仕事は早朝にスタート。農園で飼っているニワトリにえさをあげた後、ハウスに入って雑草取りに汗を流す。これが終わると収穫作業、ピーマンやナスを収穫して袋詰めまで行う。その後は島内の販売所に搬送するなど忙しい毎日を送っている。
仲本さんは「勉強になることばかり。こんな感じで作業を続けていけば、農業で生活していけるんだということがよく分かる」と充実した表情で語る。その上で「砂川さんには多くのことを教わっているし、宮古の農業のやり方を学べる。受け入れてくれた家庭は温かいし、食事もとてもおいしい」と感謝を込めて話した。
受け入れ農家の砂川さんは「一言で言えば非常に助かる。哲海はどんな作業でも一生懸命こなしてくれる」と感謝した。受け入れ当初は「やっていけるのだろうかと思った」と苦笑いを浮かべて当時の心境を明かすが、そんな考えも一変し「本土の研修生を受け入れてきたこともあるが哲海は全然違う。何でも懸命に取り組む姿勢もそうだが、人との接し方も素晴らしい」と高く評価した。
今後は「施設園芸という農業のすべてを伝えたい。すべてを見せるので、そこから多くのことを学び取ってほしい」と話し仲本さんの成長に期待した。
仲本さんのほか、大城久幸さん、仲宗根利輝さん、村山武一郎さんも各地の先進農家宅で実習。それぞれ農作業を体験しながら貴重な日々を送っている。