高腰城跡の整備に期待/比嘉自治会
復元予想図お披露目
城辺の比嘉自治会(砂川雅一郎会長)はこのほど、高腰(たかうす)城の復元予想図のパネルを同城跡に設置し25日、地元住民約50人が参加してお披露目式を行った。史跡巡りのコースにも盛り込まれており、受け入れの清掃活動も実施。地元に伝わる歴史を再認識するとともに、周辺整備に向けての取り組みをアピールした。砂川会長は「城復元に向けての地元住民の熱い思いは素晴らしいものがある」と話した。
高腰城跡は、比嘉集落北の丘陵(高さ113㍍)の頂上部分にあり、自然石を積んだ城壁の礎石が残っている。
宮古旧記類には、城主は高腰按司(たかうすあず)であったことや城の大きさなどが明記されている。1991年に県指定史跡に指定された。
設置された完成予想図のパネルは縦90㌢、横1㍍40㌢で、旧城辺町が聞き取り調査などでイメージしスケッチした茅葺き屋根の城と、城を取り囲む城壁、見張り台などが描かれている。
砂川会長によると、城跡に向かう道路(延長142㍍、幅員2㍍)の整備についてはすでに市が予算化してあるという。
また、城辺ふれあいまつり(8月2日)の協賛行事「史跡巡り」にも今回初めてコースに取り入れられた。
砂川会長は「復元に向けての取り組みが形となって現れてきた。今後とも皆さんの協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
参加者たちはこの後、城跡周辺の清掃作業を実施。炎天下、伸び放題となっていた雑草などを刈り取った。
参加したお年寄りは「戦時中はこの場所は日本軍の通信施設だった。薪拾いや草刈り、潮水を汲みにいくための通り道だったが、日本軍の許可がなければ利用できなかった」と振り返った。
また、別のお年寄りによると、城壁に使われていた石の一部は、失業対策事業で実施した道路整備に使われたという。