市に再調査求める/不法投棄ごみ
「ゼロ」報告で県/いまだ大量のごみ残る
宮古島市が島内にある一般廃棄物の不法投棄重量を2014年度は「ゼロ」と報告し、県から再度調査するよう求められていたことが4日までに分かった。不法投棄について市は、全て撤去したとして、今年4月15日に「ゼロ宣言」を発表したが、依然として大量の不法投棄ごみが確認されている。
宮古毎日新聞社などが確認した不法投棄が大量に残っている現場は、城辺友利と保良(元ロラン局隣、東平安名崎近く)の計3カ所。
いずれも海岸沿いの崖下で、「撤去は困難」とされていた中、市が2300万円の予算を投入し、計1056㌧のごみを受注業者が撤去したとされている。
県環境部環境整備課は毎年、県内6カ所の保健所を通して、各市町村に不法投棄ごみの実態調査を依頼している。
宮古島市における一般廃棄物の不法投棄重量は13年度は1056㌧で、県全体の61・5%を占めていた。
今回の報告は14年度における各市町村の不法投棄ごみの現状で、市は島内3カ所に残っていた不法投棄ごみは全て撤去し、不法投棄は「ゼロ」と報告していた。
しかし、3カ所の現場にはいまだにごみが残っていることなどがマスコミ報道や市議会などで指摘されたことから、宮古保健所は市に対し再度調査をするよう口頭で求めた。
4日には、同所の担当職員が市環境衛生課の職員と現場を視察。担当職員は「目で見る限りではゼロにはなっていない。残っているごみの重量はどのくらいなのか、再調査をしてほしい」と話した。
これに対し同課の宮国克信課長は「崖上からの目視だけでなく、崖下まで下りて調査するかどうか、可能な限り再調査を行いたい」と述べた。
同件をめぐっては、7月13日に下地敏彦市長が現場を視察。崖上からの目視による確認で「これ以上の作業は人命にも影響が出ると感じた。取れるだけのごみは取ったという印象を受けたし、これ以上は無理」との見解を示した。
一方、市議会野党連絡会は7月25日、実際に崖の下まで下りて状況を確認。同27日の会見で「(3カ所の現場には)あまりにもごみが散乱していた。撤去すべきであり、撤去可能だと思う」と述べ、市の対応に疑問を投げ掛けた。