久松バス路線廃止へ/宮古協栄バス
補助金対象外で維持困難/2015年度末姿消す
長年にわたって久松地域住民の生活の足として運行している久松線の乗合バスは、2015年度末に廃止する方向で今月中に手続きに着手する。宮古島市バス対策会議(議長・長濱政治副市長)が6日、市役所平良庁舎で開かれ、乗合バスを運行させている宮古協栄バス(豊見山健児代表)が明らかにした。会議では「久松線廃止」を承認した。
久松線区間の距離は、市下里公設市場付近の駐車場~久松公民館付近までの2・5㌔。かつてのバスは、宮古水産高校や宮古農林高校へ通学する生徒、公設市場へ農水産物を輸送・販売する女性たち、下里・西里通り商店街での買い物客などでにぎわっていた。
バス会社は廃止理由として▽過去の売上推移を見ても乗客数は減少にある▽ここ数年約70万円程度の欠損金が生じてており、補助金交付の無い路線で今後自社努力の維持は困難▽伊良部大橋開通(今年1月31日)により近接する県道192号線を他社路線バスが運行を開始したため、久松地域の利便性は少なからず確保されるーと3点を挙げている。
過去7年間の経営状況によると、2008年度は37万1000円の損金を計上したが、その後単年度ごとに損金は増え、14年度は71万1000円の赤字となった。乗客数は08年度のピーク時の5264人を最多に年々減少し、14年度は1624人(1日平均4・4人)まで落ち込んだ。
バス会社は、今月中に沖縄総合事務局に「一般乗合旅客自動車運送事業の事業計画変更(路線の一部廃止)事前届出書」を提出する。受理される見通し。
豊見山代表は「自助努力で継続運行してきたが、赤字が続き止む得ない」と複雑な心境で語った。
宮古島市生活バス路線確保対策補助金交付要綱によると、運行費補助金対象者は「市の委託又は依頼を受けて生活バス路線の運行を行う乗合バス事業者とする」と定められている。また「補助対象路線は、生活バス路線とする」と明記されている。