台風13号 農作物被害9400万円/市農水部発表
キビに折損や葉の裂傷/オクラ被害は580万円
宮古島市農林水産部は8日午後、台風13号接近に伴う農作物の被害状況を発表した。被害額は9450万円で、このうちサトウキビが8870万円と全体被害額の94%を占めた。一部で折損や葉の裂傷が見られたが被害は最小限に抑えられている。ただ、今後の塩害は懸念される。サトウキビのほか、オクラで580万円の被害があった。
市や県、製糖工場、JAの職員が8日朝からほ場調査を行い、各地を回って被害状況をまとめた。市が同日午後に会見を開き、報道各社に結果を報告した。
栽培面積4608㌶のサトウキビの被害率は1・4%。植え付け体系別の被害額は春植え730万円、夏植え5300万円、株出し2800万円だった。
オクラの被害率は12・9%で、579万円余の被害額をはじいている。
サトウキビは、一部で折損や葉の裂傷が見られたものの、強風による大きな被害はなかった。ただ、海から吹き上げられた塩がキビの葉に付着しており、徐塩しなければ今後の生育を阻害する可能性がある。
8日の会見で市農林水産部の砂川一弘部長は「これから雨が降らないと塩害が懸念される。陽が出る前の雨が必要だ」とする見方を示した。同席した農政課の福里匡課長も「雨が葉の表面の塩を流してくれるのが最も良いこと」と話し、徐塩の必要性を強調した。
その上で砂川部長は、灌漑施設が整備されているほ場では「スプリンクラーを活用して徐塩を徹底してほしい」と話し、生産農家に人的な対応を促した。
塩害については製糖工場も懸念。沖縄製糖は「要は雨が降るタイミングが重要になる」と話し、台風に伴う降り始めから8日午後4時現在の降水量(平良下里で31㍉)でも懸念は解消されないと指摘する。「塩害を最小限に抑えるためにはスプリンクラーを活用することだ」と話した。
台風13号は7日、宮古島地方を強風域に巻き込みながら西北西へ進んだ。同日午後3時ごろには多良間島が一時暴風域に入った。
この台風の影響で宮古島地方は終日強い風に見舞われ、サトウキビなどの農作物で被害が出た。最大瞬間風速は下地島空港で33・4㍍を観測している。