ビーチパトロール実施決定/市水難事故防止推進協
台風前後など遊泳危険時/渡口の浜事故受け
関係機関が分担し注意喚起
伊良部島の渡口の浜で10日に発生した、家族3人が死亡した事故を受け、市水難事故防止推進協議会(会長・下地敏彦市長)は13日、市平良庁舎で緊急理事会(理事長・市生活環境部平良哲則部長)を開いた。理事会では、台風接近前後を含み、遊泳が危険と判断される場合には市、宮古島署、海上保安署(海保)、市消防を中心に関係機関で、注意喚起の広報パトロールを実施するなど、実効性のある活動を進めることが決まった。広報パトロールは、今後、遊泳が危険と判断された場合に実施される。
理事会に先立ち下地市長は「悪天候時、海がどのようになっているかなどの情報をしっかり周知できる方法、活動などについて意見交換してほしい」と述べた。
これまで台風接近時は、宮古島署、海保、市消防はそれぞれ、広報パトロールを実施してきたが、今後は協議会の関係機関と連携して行う。パトロールは広報車両や警察用船舶、海保の巡視船艇を活用する。
遊泳などが危険な状況の判断は、宮古島署、海保、市消防などが行い、協議会に連絡する。協議会はパトロール実施向け、速やかに調整を進めるとともに、宿泊施設に連絡し、観光客らへの注意喚起を促すことなども決まった。宿泊施設などへの連絡網は今後、宮古島観光協会などの関係機関と調整の上、早急に整備していく。
また、今回の事故を受け、伊良部・下地島マリンレジャー組合(陣内義浩代表)から、協議会と協力したいとの強い要望があり、同組合を協議会のメンバーに加え、連携することが承認された。今後、総会で正式に決定する見通し。
理事会ではこのほか「無理してでも泳ごうとする人は少なくない。これにどのように対処するか」「夏場だけでもビーチに監視員を配置できないか」「伊良部大橋開通で伊良部島の観光客も増えている。市民を含む官民一体となった取り組みが必要ではないか」「宿泊施設の関係者を集めて研修会を実施する必要がある」など多くの意見が出た。
平良部長は「今回は、悪天候時のビーチパトロールなど、実効性のある注意喚起活動を中心議題として緊急に開催した。理事会で出たさまざまな意見は今後の対策の参考にしていきたい」と述べた。