「ごみゼロ」宣言を撤回/宮古島市
副市長「申し訳ない」/再度予算化し撤去も
城辺の崖下3カ所の不法投棄ごみ残存問題で、長濱政治副市長らが14日会見を開き、4月に行った「ごみゼロ」宣言を撤回した。公金支出に関する会計処理の甘さも認めた。その上で「県とも相談し、可能な限り取れるものは取る」と述べ、再び撤去費を予算化して処理作業に着手する方向性を示した。長濱副市長は「大変申し訳なく、市民の皆さんにおわび申し上げたい」と謝罪した。
会見の冒頭、長濱副市長は「(県に対し)不法投棄ゼロと言ったところに114㌧も残っているということを報告した。そういうことから、以前に出した『ごみゼロ』宣言については撤回したい」と述べた。
続けて残存ごみの処理方法に言及し「県と話をしてみたい。そして可能な限り取れるものは取るという方向でいきたい」とした。
ただ、「谷底にあるものも全部取れと県が言うのかどうか、費用対効果や危険性も考えて、取るのが妥当なのかどうかを内部で検討したい」と含みを残した。
ごみの撤去費として支払われた2300万円の会計処理については事業完了報告書の不備を指摘。「書類が足りないが(市が)全部をチェックしなかったという問題はある。会計にも責任はある」と手続きの甘さを認めた。一方で、「多くの書類がある中で、その全部のチェックの責任を会計課に負わせるのは酷だ」とする発言もあった。
会見では、市のずさんな公文書管理の実態も明らかになった。業者によるごみの水増し計量が疑われている日の計量伝票を、職員の独断で業者に渡していたことが判明。担当者にその理由を問うと「業者に貸してくれと頼まれた」などと説明した。これに平良生活環境部長は「そういうやり方はしない」と釈明した。
この問題については、担当課が当初「(伝票は)業者が破棄した」と説明していたが、実際には存在することが後に分かった。長濱副市長は「『伝票がないというのはおかしい』と業者を問いただしたら、実はあるというのが分かった」と業者の虚偽報告を指摘。この業者に対してペナルティーを科す考えを示した。
この日の会見には「ごみゼロ」宣言をした下地敏彦市長の出席はなかった。長濱副市長と平良哲則生活環境部長、宮国克信環境衛生課長らが顔をそろえた。
市長が出席しない理由を問うと長濱副市長は「私が細かい話を主管課としているので。市長の考えは一緒だと思う」と述べた。