ドーム型施設着工へ/市議会臨時会
一部与党と野党は反対 32億円の請負契約可決
宮古島市議会(真栄城徳彦議長)は14日の臨時会で、ドーム型のスポーツ観光交流拠点施設の建設工事請負契約(建築、電気・機械設備総額約32億円)を賛成多数で可決した。一部与党と野党などは、用地購入費などを含めた総事業費が建設資材の高騰などで43億円余りに膨れあがったことや、同施設の活用が具体的に示されていないことなどを理由に見直しを求め反対した工期は15日から。2017年4月の供用開始を目指す。
同施設は一括交付金を活用し、宮古空港東側に建設される。進入道路や造成工事は、舗装工事などを残してほぼ完了している。
総事業費(約43億円)の8割は一括交付金を充て、残り2割は国からの借入金。市の説明では、借入金のうち1割は交付税措置され戻ってくることから、実際の市の負担分は総事業費の1割だとしている。
本会議の討論で、國仲昌二氏は「多額の契約の議案であり、本来なら定例会に提案し常任委員会で慎重審議をすべき」と指摘。「事業の疑問点が解消されず、具体的な活用も決まらない中、臨時議会で議決することに賛成しかねる」と反対意見を述べた。
反対の姿勢を示した亀濱玲子氏は、屋外で行われているロックフェスの参加者について「宮古の光や風などの自然環境を求めてやってくる」と話し、同施設は宮古に適した施設なのかと疑問を呈した。
その上で「市の財政規模を考えると身の丈の事業とはどういうものか、しっかりと精査する必要がある」と述べ、事業の見直しを求めた。賛成の立場からの討論はなかった。
賛成多数で原案通り可決されたのは▽スポーツ観光交流拠点施設工事請負契約建築1工区(契約金額12億7332万円、尚輪興建・南西建設・大成土建の特定建設工事共同企業体)▽同2工区(契約金額13億7590万円、大米建設・下崎建設・奥浜組の特定建設工事共同企業体)▽同電気設備1工区(契約金額1億8896万円、大和電工・下崎工事社・三成技建の特定建設工事共同企業体)▽同機械設備2工区(契約金額3億6115万円、日進電気土木・丸秀・共和測建特定建設工事共同企業体)-。
そのほか、原案可決された議案は、宮古島フラダンス開催実行委員会への補助金350万円などが盛り込まれた15年度一般会計補正予算案2471万円。これにより市の15年度一般会計予算は歳入歳出ともに総額343億6510万円となった。