東北ユース、宮古島ジュニア オーケストラで交流/みやこじま青少年国際音楽祭
心一つに演奏、絆育む/会場包む万雷の拍手
みやこじま青少年国際音楽祭(主催・同音楽祭実行委員会)が18日午後、市中央公民館で行われ、宮古島市ジュニアオーケストラと東北ユースオーケストラのメンバーが心を一つにして演奏し、絆を深めた。会場には多くの市民が訪れて演奏を鑑賞。小さな子供たちを含め、宮古島と東北の演奏者が織りなすハーモニーに万雷の拍手を送った。
音楽祭は宮古島市市制施行10周年記念事業に位置付けて開催。岩手、宮城、福島の東北3県から訪れた約50人のメンバーと、宮古島ジュニアオーケストラのメンバーが共に演奏した。
バイオリン奏者で日本フィルハーモニー交響楽団ソロ・コンサートマスターの木野雅之さんや沖縄の歌手古謝美佐子さん、キーボードの佐原一哉さんが出演して花を添え、栁澤寿男さんと天野誠さんは両オーケストラを巧みに指揮した。
音楽祭は、チャイコフスキーの弦楽の為のセレナーデ第1楽章で幕開け。グリーグのホルベルク組曲前奏曲、パッヘルベルのカノンと優しい調べが続いた。
この後、沖縄の古謝さんが「童神」と「花」を歌い上げて聴衆を魅了。引き続き木野さんが圧巻のバイオリンを披露した。
シベリウスのフィンランディアを演奏した後、アンコールで坂本龍一の「ラストエンペラー」を奏でると会場はこの日一番の歓声と拍手に包まれていた。
二つの楽団のメンバーはリハーサル、本番を通して交流を深めた様子だ。宮城県から訪れた大学生の曽根瑞貴さん(20)は「宮古島の人たちは温かい。ここに来ることができて本当にうれしく思う」と話す。交流演奏については「宮古島市のジュニアは楽器を離すと子供らしくはしゃいでいるけど、楽器を持つと一生懸命な表情になる。こんな子供たちと一緒に演奏ができて幸せです」と語った。
福島県から参加の千田捺月さん(14)は「宮古島の人はとても優しいので過ごしやすい。きょうは楽しく演奏できたのでとても良い思い出になった。あしたは泳ぎます」と笑顔いっぱいの表情で話していた。
宮古島のジュニアは演奏会の中で東北のメンバーを歓迎。宮高1年の川平大貴君と同校2年の下地智博君は「短い旅ですが、宮古島の良いところをいっぱい見付けてほしい。この機会に仲良くなって、互いの良いところを知りましょう」と期間中の交流を期待した。
スタッフを含めて総勢70人になる東北の一行は21日まで滞在。海水浴や観光地巡りで思い出をつくる。