「県の手厚い支援必要」/子宮頸がん予防ワクチン接種後の症状
宮古、八重山首長が要請
【那覇支社】宮古、八重山圏域の5市町村長で組織する「美ぎ島美しゃ市町村会」(会長・下地敏彦宮古島市長)は18日、県庁に浦崎唯昭副知事を訪ね、子宮頸がん予防ワクチン接種後の症状に対する支援など両圏域が抱える21項目の課題解決への協力を要請した。
下地市長は健康被害と家族の負担が大きく、被接種者の将来への不安の訴えや副反応症状の患者が増えることが懸念されると指摘。「原因が特定されないということで、国は支援制度を持っていない。現実にそういう住民を抱えている市町村としては独自に対応しているが、それだけでは足りない。県の手厚い支援が必要」と訴えた。
浦崎副知事は「県は支援策の制度設計を検討していく。国の被接種者への調査に協力すると共に、国へ早期に原因究明を行うよう引き続き求めていく」との方針を示した。
下地島空港・周辺残地の利活用促進への要望には「12月頃までには結論を出すように四つの利活用候補事業を選定した。四つの事業をすべてできればと思う。その方向性を持ちながら取り組んでいく」と話した。伊良皆光夫多良間村長は1974年から事業整備した七カ所の貯水池施設が、老朽化によるゴムシートの破損などで漏水が増加し、貯水池の機能を果たしていない現状を報告。「島は土層が浅く保水力に乏しい。慢性的な干ばつ被害が懸念される。施設のほとんどが耐用年数が切れている状況にある」として、漏水貯水池の早期の改善を要請した。
謝花喜一郎企画部長は「すでに実施した補助金事業に、さらに補助できるかが課題になる。国とも相談してさまざまな観点から、どういった対応ができるか検討していきたい」と話した。
宮古島間のフェリー貨物運賃助成については「今年度から南北大東島や座間味島、渡嘉敷島を対象に離島生活コスト低減事業を実施する。多良間島にも拡充できるか作業に入っている」と述べた。
同市町村会は、県議会の喜納昌春議長にも同じ趣旨で要請し、奥平一夫、座喜味一幸の両県議らが同行した。