多良間・石垣路線 12月に就航延期
台風影響で訓練不足/村長「安全第一、仕方ない」
【那覇支社】第5回石垣拠点航空路開設検討協議会(会長・謝花喜一郎企画部長)が18日、県庁で開かれ、石垣-多良間、波照間(竹富町)の2路線の就航再開は、当初予定していた10月から12月1日に延期することを決めた。相次ぐ台風などの影響により、運航する第一航空(本社大阪府)のパイロット訓練が遅れていることから、就航時期を見直した。多良間村の伊良皆光夫村長は「安全第一なので仕方ない。12月には遅れないようにしてほしい」と語った。
県によると、第一航空の木田準一副社長が「運航計画の見通しが甘かった」として、出席した伊良皆光夫多良間村長らに謝罪した。同社は多良間村で10月からの就航に向けた住民説明会を7月に行っていた。
伊良皆村長は19日、本紙の取材に「1年前から10月就航ということで準備を進めてきた。7月の住民説明会でも10月からということだった」と指摘。「村民や利用者も期待が大きかっただけに、気落ちする」と話した。
延期の理由が台風などの影響で、操縦士訓練が不十分だったことについては「台風は毎年のことで予想されるべきもの。取り組みが甘かったと言わざるを得ない」と述べた。
運航ダイヤは1日午前・午後の2往復に決定し、運賃については地元から当初提示した金額より軽減を求める声があり、引き続き検討することになった。運航に伴い赤字が生じた場合は当分の間、県と多良間村、竹富町で折半して補てんする。
多良間-石垣路線の運航ダイヤは、第1便が石垣発午前8時15分、多良間着同40分。多良間発午前9時10分、石垣着同35分。第2便は石垣発午後1時45分、多良間着同2時10分。多良間発午後2時40分、石垣着同3時5分となっている。窓口業務は琉球エア-コミュタ-(RAC)に委託する。
運賃は当初、大人片道9500円、往復割引8500円、島民往復割引6200円を予定していたが、地元から負担軽減を求める声があったことから、減額に向けて検討する。
使用機材は、第一航空が国と県の補助を受けて新たに導入にしたカナダ製のDHC-6-400型(19人乗り)。パイロットの飛行訓練は、実際の運航路線で実施されている。
多良間-石垣路線はRACが運航していたが、利用者の減少などに伴う収益悪化などを理由に2006年3月末に廃止された。