一括交付金事業と重複/不法投棄ごみ残存問題
友利、12年度末に完了報告
城辺保良地区などの崖下3カ所の不法投棄ごみ残存問題で新たな疑問が浮上した。市の予算を投じて撤去作業が行われた友利の不法投棄現場は、すでに市が2012年度に一括交付金を活用して撤去作業を行い「完了(残存量ゼロ)」と県に報告していた。一括交付金で撤去されているはずの現場が、再び市の事業で対象となったのか。市環境衛生課では「一括交付金事業については県に報告して問題なかったので説明できる。現段階では、友利の現場はごみが分散していて、当時は崖下にもあることを把握していなかったということになる」と説明した。
一括交付金事業で市が県に撤去したと報告している場所は「友利768-2」(以下「友利」)。しかし、市が昨年度に実施した事業でも同じ「友利768-2」で撤去作業が行われた。
県の不法投棄残存量の資料で「友利」については、12年度当初段階で1500㌧が残存していた。市が同年度に一括交付金を活用して実施した「友利」の撤去作業について、担当課は「二十数㌧の不法投棄ごみを撤去した」と説明している。
宮古島市では12年度に一括交付金3000万円を活用して、島内31カ所の6000㌧の不法投棄ごみを撤去し、「友利」についてもその際にすべて撤去したと県に報告していた。
これを受けて13年度以降、県の不法投棄ごみ残存量の中から「友利」の文字は消えている。
しかし、市が単独予算2300万円を投じて昨年度実施した「平成26年度不法投棄ごみ撤去委託業務」の中では再び「友利768-2」が撤去対象箇所となり、撤去作業が実施されている。
市の事業における請負業者からの報告では、この現場で276・1㌧のごみを撤去したとしている。
さらに、今回の撤去作業後に発生した不法投棄ごみ残存問題を受けて、市が実施した再調査では3カ所のうちで「友利」は最も多い70・8㌧のごみ残存が確認されている。
担当課では「同じ住所内だが撤去した現場が違ったとしか説明はできない。市としては撤去した場所が現場だと思って作業を行い、撤去現場周辺にごみは無かったので県に完了を報告した。現場のごみが無くなったと判断すればごみの量はゼロであり、県にも完了したとの報告になる」との見解を示した。