下地市長が市民に謝罪/不法投棄ごみ残存問題
処理量10倍の虚偽報告/公文書のデータ改ざんも
宮古島市が2300万円の予算で、撤去したはずの城辺保良地区などの崖下3カ所に現在も大量のごみが残存し、市のずさんな行政手法が明るみになっている問題で、下地敏彦市長は24日会見し「行政の信頼を揺るがせた。市民の皆さんにおわびしたい」と謝罪した。これまでのごみ処理数量についても約10倍の虚偽報告をしていたことや、担当職員がパソコン内にあるデータや計量伝票についても業者と一緒になって改ざんしていたことも認めた。
下地市長は、これまで市の単費事業における3カ所の処理量は1090㌧と報告していたが「実際には143㌧だった。947㌧は過大に報告されていたことになる」と説明した。
今回示された3カ所の処理量は、東平安名崎近くが㌧(これまでの実績報告373・3㌧)、元ロラン局隣が29㌧(同440・6㌧)、友利崖下が99㌧(同276・1㌧)となっている。
市は「1090㌧を処理した」と議会などで主張していたが、その根拠となっている実績報告を「改ざんされていた」と説明した。
市の公文書である「計量伝票」や「計量実績」が記憶されているクリーンセンター内のパソコンのデータについても「担当職員が改ざんしていた」と報告した。
改ざんの実態について長濱政治副市長は「データ改ざんは担当職員が行った。環境衛生課としては改ざんについての作業内容は知らなかったとしているし、まだ確認は取っていない」と述べたものの「この作業を行ったのは1人の職員がやったと思う」と話した。
担当職員について下地市長は「虚偽の報告をしているわけだから懲戒分限委員会で調査してもらうことになる」と説明した。
さらに担当職員と業者との癒着の可能性については「担当職員は『ごみゼロ宣言』を発表したいとの思いがあったが、これまでの報告量と実際に撤去した量でかなりの隔たりがあり、それで悩んで何とかしたいと思ったのだろう。それを癒着と捉えるかはどうかと思う」と語った。
同事業における会計支出について下地市長は「庁議で会計管理者は各部局長や各課に対してマニュアルを作成するよう呼び掛けた。今後は、チェック体制を強化することになっている」と述べた。
マスコミが今回示された実際の処理量143㌧の根拠となるデータや資料の開示を求めたが、下地市長と長濱副市長は「情報開示請求をしてほしい」と述べた。