半数が「差別」を経験/障害者アンケートで判明
宮古島市に在住する障害者の半数程度が、何らかの差別を感じていることが市の調査で分かった。昨12月から今年3月にかけて実施された障害福祉アンケートで判明した。差別の内容は分かっていないが、障害者が依然として厳しい社会環境下で暮らしている実態が浮き彫りとなった。市はアンケートで得た現状と課題を整理し、9月末の策定を目指す第2次障がい者計画および第4期障害福祉計画に反映させる方針だ。
アンケートは、障がい者計画等の見直しに当たって実施した。障害者の生活状況やサービスの利用状況等を把握することが狙いだ。
アンケート用紙は、身体障害者手帳所持者のうち65歳未満全員に配布した。知的障害者は療育手帳所持者の全員に、精神障害者は通院医療費公費負担の受給者から抽出して配った。
3障害合わせて1542枚を配布し、1151件から回答があった。回答率は74・6%と高い。
この結果、差別を受けたことが「ある」か、「少しある」と答えた人は全体回答の半数程度に及んだ。障害別に見ると▽身体47・1%▽知的45・2%▽精神52%-の内容だった。
差別を受けた場所については身体、知的障害者の5割が「外出先」と回答、精神でも4割を占めた。
性別に見ると、身体、知的障害者の女性の多くが学校や仕事場で差別を経験したと回答。男性は身体障害者が「仕事を探すとき」と答え、知的障害者は「医療機関」などと回答した。
アンケートでは、地域で生活するために必要な支援も聞いた。身体、知的障害者は「障害者に適した住居の確保」と「必要な在宅サービスが適切に利用できること」の回答が多い。知的障害者は「在宅で医療ケアが適切に得られること」の回答が7割近くを占めた。
外出時に困ることは、身体障害者の多くが「道路に階段や段差が多い」という回答だった。建物設備(トイレやエレベーター)が不便だと訴えるバリアフリー関係の回答も多かった。
知的、精神障害者の約3割が「困ったときに、どうすればいいのかが心配」と答え、「公共交通機関が少ない」は2割程度だった。
市はこれらの結果を踏まえて第2次障がい者計画および第4期障害福祉計画を策定する。27日に開かれた市地域自立支援協議会運営委員会では計画の骨子などを全体で共有。アンケートの調査結果から分かる現状と課題を整理し、計画に生かす方針を確認した。