巡視船3隻を増強配備/宮古島海上保安署
保安部へ格上げも/16年度中 山本署長が市長に報告
宮古島海上保安署の山本雅司署長と中村潔次長が3日、市平良庁舎で下地敏彦市長に、2016年度中に規制能力強化型の巡視船3隻が配備されることを報告した。また、同年度の海上保安庁概算要求でさらに同型船3隻の建造を求め、17年度には増強される計画も検討されていることなどを説明した。宮古島海上保安署の巡視船艇が現在の3隻から来年度中に倍増の6隻になることに伴い、同年度中に宮古島海上保安署を宮古島海上保安部に格上げするための機構要求も含まれており、16年度中には保安部になる見込み。
現在の宮古島海上保安署員は巡視船艇の乗組員を含め54人。新巡視船配備で人数は約100人規模になる。
また、巡視船増強に伴い、給水設備や訓練施設、係留施設などの拠点機能を確保する必要がある。下地市長は「宮古島の漁業者が安心して漁ができるようになり、本当にありがたいこと。早めの整備も必要と思うので、協力できるところはしっかりとやりたい」と述べた。
海上保安庁は尖閣諸島周辺海域における隙のない保安体制確保のため、15年度中に石垣海上保安部に大型巡視船の配備など「尖閣専従体制」を完成させる計画。
2011年に尖閣諸島周辺海域における中国漁船の退去警告隻数は8隻。14年には208隻と26倍に増加。今年は7月末にまでに、56隻に退去警告をしている。このような中国漁船など外国漁船に対応するため18年度中に、尖閣漁船対応体制の完成を計画しており、宮古島海上保安署への16年度中の巡視船3隻の増強は、それに基づく配備となる。
増強される巡視船は現在、宮古島海上保安署に配備されている総トン数180㌧型の小型巡視船「のばる」と同型だが、船体の強化や放水銃の性能などを強化した規制能力強化型巡視船となる。
増強配備される巡視船の係留について、山本署長は「伊良部の長山港をはじめとして、県と調整を進めている」と説明した。当面は現在配備されている巡視船艇3隻は平良港に、新たに増強される3隻は長山港への係留が検討されている。