予定価格を公表せず/不法投棄ごみ残存問題
市の入札行為で疑問拡大
市の事業で撤去されたはずの不法投棄ごみが大量に残存している問題で本来、市の公共事業では、入札前に事前に公表されるはずの「予定価格」が公表されないまま入札が行われていたことが分かった。さらに、公表されなかった予定価格は、同事業を落札した業者が事業実施前に行った見積額がそのまま予定価格となっていた。
市の公共工事については「予定価格の事前公表に関する要綱」で、透明性を高めることなどを目的に事前公表が基本で、その対象となるのは130万円以上の公共工事を対象としている。
問題となっている今回の事業は、2000万円を超えていることから、事前公表の対象となるはずがなぜか「公表なし」で入札行為が行われた。
今回の入札は、指名競争入札でA~Eの5社が指名された。そのうち、落札額から差額(35万円)がもっとも大きかったE社から「予定価格が事前に示されていないことがまずおかしい」との指摘を受け、市環境衛生課に確認したところ公表せずに行われたことがわかった。
さらに、予定価格が公表されないまま実施されたにもかかわらず落札額は、E社以外では15万円以内で収まっている。入札額が小差だったことについて一部議員からは「公表なしで実施した入札の差額としてはあきらかにおかしい。この事業は業者選定から落札価格まで不自然な点が多すぎる」と疑問の声が上がった。
同課の宮国克信課長は、今回の事業は「公共工事である」との認識を示した上で「担当者が委託事業では事前公表はいらないと言っていたので『公表なし』になったと思うが本人に確認してみたい」と話した。
市契約検査課では「私たちが担当する建設工事については、要綱通りに130万円以上の公共工事はすべて事前公表になっている。また、委託事業についても130万円を超えれば事前公表になる」と説明した。
そのほかにも、宮国課長は落札した業者が事業実施前に行った見積もりの見積額が、そのまま同事業の設計費となり、さらに予定価格にもなっていたことも認めた。