子牛の削蹄率、県内最低/競り上場
マナー低く14・6%
14年度 購買者は強い不満
JA宮古家畜市場に上場されている子牛の削蹄率が県内で最低の状況にあることが県削蹄師会宮古支部のまとめで分かった。2014年度の削蹄率は14・6%で、8割以上の子牛が未削蹄のまま上場されたことになる。宮古市場の削蹄率の低さは購買者の間でも不満が強い。JAなど関係団体は「削蹄はマナー」と指摘しており、生産者に削蹄の徹底を促している。
削蹄は、安定した立ち方と歩行を確保する上で欠かせない飼養技術の一つ。蹄病の予防や食欲の増進が図られるため、結果として繁殖率、肥育効率が向上して競り値も上がる。
削蹄師会宮古支部は今年3月の競りで削蹄に関する調査を実施した。削蹄をした子牛と未削蹄の牛の価格を調べた結果、削蹄済みの牛は1頭平均価格で約1万円、キロ単価では300~400円高値だった。
これを踏まえ、同会では削蹄の徹底を呼び掛けている。事務局は「宮古は削蹄率が低い。購買者に削蹄を強く求められていることを分かってほしい」と農家の理解を促す。その上で「競りに出す2カ月前には削蹄を行ってほしい」とした。
下地範昭支部長は「成牛の削蹄率は上がっているが子牛が上がらない。削蹄することで牛のストレスが和らげられ、食い込みも良くなる」と利点を挙げて実践を呼び掛けた。また、「削蹄をしておくと立ち方が安定するため、事故の防止にもつながる」と話し、輸送時の事故防止も訴えた。
県農業共済組合宮古支所の池間孝夫支所長は「牛の価格が高いからやらないのではなく、高いからこそ削蹄をしっかりして購買者を引き付けることが大切。上場する際のマナーを守ってほしい」と話した。
削蹄の料金は、子牛2400円、成牛3400円だが、ヘルパー事業を活用すればそれぞれ半額で削蹄することができる。
問い合わせは県削蹄師会宮古支部事務局(電話72・4724)か宮古地区和牛ヘルパー利用組合事務局(72・4680)まで。