「友利」追加の経緯にも疑問/不法投棄ごみ残存問題
議会終了翌日に見積依頼
不法投棄ごみ残存問題で、市環境衛生課が撤去予算決定段階では予定していなかった「友利崖下」を撤去箇所に加えた経緯についてもこれまでの説明とは異なる状況が判明した。
市が2300万円の予算を計上したこの撤去事業は当初、保良の崖下2カ所が対象で、昨年の9月25日に行われた市議会9月定例会の最終本会議ではその撤去費の予算案が可決されていた。
これまでの担当課の説明では「議会後に県から『友利崖下』にもごみがあるとの情報提供を受けてそこを加えて見積もりを行い、結果3カ所で事業を実施した」としていた。
しかし、この「友利崖下」を担当課が把握した時期について、疑問が浮上している。
担当課が業者に対して3カ所での見積依頼をしていたのは昨年9月26日と判明。前日の25日は2カ所での撤去費用が可決された9月定例会の最終本会議だったことから、担当課は議会中かそれ以前にはすでに友利崖下のごみの存在を把握していた可能性が高まっている。
同課の宮国克信課長は「26日に県から情報提供があり、それを受けて3カ所での撤去を起案し業者に見積依頼をすることも可能。しかし、担当者に確認してみないとわからない」と話した。
県から不法投棄ごみの状況確認を委託されている廃棄物監視員の日報では、9月にクリーンセンターに訪れたのは12日のみ。8月は11、14、18日の3日間訪れていることが分かった。
こうした状況から、担当課が「友利崖下」のごみの存在を把握してたのは、昨年の9月定例会後ではなく議会期間中かそれ以前の可能性が高くなっている。
この撤去箇所を巡る問題では、予算要求段階では、保良の「東平安名崎近く」と「元ロラン局隣」の2カ所で見積が行われ、見積額は2376万円となり、その額がそのまま予算化された。
しかし、議会後に「友利崖下」が加わった3カ所での見積もりでは撤去箇所が増加したにもかかわらず2カ所の見積額よりも下回って、そのまま事業実施されたことが疑問視されている。