一括交付金事業にも疑問/不法投棄ごみ残存問題
一般質問で野党ら追及へ/大幅に少ない処理量指摘
開会中の市議会(真栄城徳彦議長)9月定例会は、野党と中立会派を中心に一般質問で不法投棄ごみ残存問題について当局見解をただしているが、今後は2012年度に実施された国の一括交付金を活用した撤去事業についても当局姿勢を追及する質問が複数の議員から通告されている。一括交付金について、当局はこれまで31カ所で6000㌧を処理したとしていたが、実際の事業報告では、21カ所で750㌧の処理量だったこともあり、一括交付金事業に対する当局の説明に注目が集まっている。
一括交付金事業については、下地敏彦市長が4月に行った「不法投棄ゼロ宣言」の会見で、31カ所で6000㌧を3000万円の予算で撤去したと発表していた。
しかし、環境衛生課環境衛生係によると、実際の撤去実施箇所は23カ所で保良崖下2カ所(東平安名崎近くと元ロラン局隣)は撤去困難ということで、実施されず21カ所で実施し、撤去量は750㌧として県、国にも報告し事業は完了している。
一括交付金事業で撤去できなかった保良崖下2カ所について、市は14年度に単独予算2300万円を計上して撤去事業を実施した。
この事業については、連日報道されているように請負業者による水増し計量、撤去実績の虚偽報告、担当職員の公文書改ざんへとつながり、さらには事業見積もり、予算化、入札、会計支出についても、いろいろな疑問が浮上している。
一括交付金事業では推定量の12・5%、市単費事業ではさらに少ない10分の1以下の撤去量となっており、この数字の乖離(かいり)についても疑問の声が上がっている。
この問題ついては11日に行われた一般質問で、高吉幸光氏が「一括交付金事業の段階で推定量と実質量に乖離があることを認識していたのであれば再調査すべきだった」の質問に、平良哲則生活環境部長は「当該箇所が撤去困難な崖下にあって危険なことから、回収作業のための調査ができなかった」としている。
一括交付金事業では撤去困難だった保良崖下2カ所は、回収作業のための調査すらできなかったが、なぜ市単費では事業化できたのか、さらになぜ2300万円という予算が計上され、それが実施されたのかについても疑問が出てくる。
不法投棄ごみ問題についての当局見解は理解しがたい内容や疑問がぬぐい去られない説明が多く、さらに何度も説明や数字についての訂正、修正が行われている。
きょうからの一般質問では、明確で分かりやすく間違いのない説明と情報の提供が期待される。