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教育・文化
2015年9月26日(土)9:03

サングラスで絆確認/宮古高校合唱祭

副反応と闘う友達にエール


サングラス姿で熱唱する生徒たち=25日、マティダ市民劇場

サングラス姿で熱唱する生徒たち=25日、マティダ市民劇場

 「高校生活最高の思い出ができた」と、笑顔で話す少女の目がサングラスの奥で輝いた-。25日にマティダ市民劇場で行われた宮古高校の合唱祭。あるクラスが舞台に登場すると異様な雰囲気に包まれた。全員が学生服にサングラスをかけ、合唱祭にはとてもそぐわない格好で熱唱。しかし、そのサングラスには子宮頸がんワクチン接種後の副反応で苦しい日々を送るクラスメートへの優しさがこもっていた。

 全国的な社会問題となっている子宮頸がんワクチン接種後の副反応問題。宮古でも複数の子供たちが同様の症状で苦しんでいる。

 本紙では6月に、この問題で苦しむ市内に住むある家族を取り上げた。その母親のAさんの長女は宮古高校に通っているが同級生たちと同じような学校生活は送れていない。

 接種後の副反応で光に敏感になりサングラスは必需品となった。本土の病院への入院や体調不良でなかなか学校へも通えない中、この日行われた合唱祭にも欠席する予定だった。

 そんな中、クラスメートから、全員がサングラスをかけて合唱祭に出場することが告げられ、練習にも参加してこの日を迎えた。

 クラスが選んだ自由曲は尾崎豊の「15の夜」。15歳の少年が社会、大人たちへの不満と自分の存在に対する不安が歌詞にちりばめられたこの曲をサングラス姿で合唱した。

 指揮の男子生徒のパフォーマンスもあり、会場は笑いと拍手に包まれる中でクラスの合唱祭は幕を閉じた。

 クラスのホームルーム長の男子生徒は「合唱祭に出るのに1人だけサングラスは嫌だろうと思って、みんなでサングラスをかけて歌おうと言うことになった。実際やってみて最高だったし、良い思い出ができた」と話した。

 生徒たちと同じ学生服とサングラス姿で合唱に参加した担任の女性教諭は「サングラスをかけて歌うことについては、生徒たちから提案された。それが私としてもとてもうれしかった。さらに、曲のイメージにも合っていたので、みんなとても良い思い出になったと思う」と笑顔で話した。

 Aさんの長女は「最初、合唱祭には出ないつもりでいた。でも、みんながサングラスをかけて出るとの話になり、最初は断ったけど、なんとか頑張って出ようと思った。実際にみんなと歌って超楽しかった」と笑顔になった。

 今後も、副反応との闘いは続く中で「11月から千葉県の病院に入院するので、その前にみんなと楽しい思い出を作れたから良かった」と、クラスメートに感謝した。

 まだまだ先の見えない中で、副反応との闘いを続けるクラスメートの状況に理解を示し、学生服にサングラス姿で熱唱する生徒たちに、会場からは大きな拍手が送られた。


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