子の健やか環境づくりへ/エコチル市民公開講座
産婦人科医と小児科医が講演
子供の健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)に伴う市民公開講座が26日、平良保健センターで行われた。産婦人科医と小児科医による講演を通して、子供たちの健やかな未来を構築するための環境づくりや、エコチル調査を地域全体で支えていくための機運づくりに役立てた。
公開講座では、琉大医学部付属病院産婦人科の正本仁診療教授が「妊娠の成立と胎児の発育について」、同病院小児科の知念安紹准教授が「妊娠中の食事と神経管閉鎖不全症」と題しそれぞれ講演を行った。
同講座は、エコチル調査南九州・沖縄ユニット 琉球大学(沖縄)サブユニットセンターが主催。冒頭あいさつした同センター長の青木一雄氏は、エコチル調査の目的や意義を説明。調査対象者には半年に1回、調査表に答えてもらっていることから「データは将来の子供たちの健康づくりに生かしていきたい。可能な限り情報提供し、地域全体で調査を支えようという機運づくりにつなげたい」と講座開催の意義を強調した。
市生活環境部健康増進課の宮国泰誠課長は、宮古島市は特定健診の有所見者(基準値よりも悪い人)割合が高いことや、3歳児の就寝時間が県内で最も遅いことを上げ「健康について親が関心を持ってほしい」と呼び掛けた。
エコチル調査は、環境省が全国15地区10万人の母子を対象に行っており、県内では宮古島市のみで実施している。
子供が母親の胎内にいる時から13歳になるまで定期的に健康状態を確認。環境要因や化学物質が子供の成長・発達に与える影響を明らかにすることで、子供たちが安心して健やかに暮らせる環境の実現を目指す。
宮古島市では913人の母親から協力を得て、845人の子供の調査を実施している。