あすから伊良部全域へ送水
宮古本島の水道水/牧山配水池から安定供給
市(下地敏彦市長)は10月1日から宮古本島より伊良部全域へ水道水の送水を初めて本格化させる。2008年度~14年度までの7年間に投じた水道事業の総事業費は18億5000万円。29日、下地市長らは記者会見し、「良質で安全・安心の水を安価で安定供給する」とアピールした。
本格送水を前に5月9日より伊良部の一部の北区(佐良浜)に送水を開始。来月1日からは南区(伊良部、仲地、国仲、長浜、佐和田)・下地島の関係施設へと拡大され送水される。これまでのポンプ送水から牧山配水池に貯めて送水する「自然流下方式」に切り替えられる。
2005年10月の市町村合併に伴い、宮古島上水道企業団と伊良部町水道課が統合され、宮古島市水道局となった。その後行政改革に伴って上下水道部に改称された。
伊良部浄水場の水道原水は、蒸発残留物や塩化物イオン濃度などが水質基準値を超過。このためこれらの物質を除去して良質な水道水を供給する目的で現在、低圧逆浸透膜を通した方式で給水している。
浄水場は宮古本島から送水が行われても、今後予想されるホテル建設に伴う水需要などを視野に入れ、稼働体制を維持する。
平良字西里にある袖山浄水場からの新設管路は全長約13㌔。久松ポンプ場、伊良部大橋、新設の牧山配水池を経て既存の管路につないでいる。配水池は水道水を一時、貯めておく所で、鉄筋コンクリート造りで高さ約20㍍、内径15・5㍍。水が勢いよく送水されるように高所に整備した。
総事業費は約18億5000万円で、このうち補助事業費約18億円、単独事業費5000万円。工事費内訳は宮古島側で管路・ポンプ場工事費約4億6000万円、伊良部大橋の橋梁添架・負担金7億1000万円、伊良部島側で管路・配水池建設費6億8000万円。