「改ざん指示していない」/ごみ残存問題特別委
業者と当局見解相違/2012年度一括交付金事業
不法投棄ごみ残存問題の全容解明を目指す市議会の「調査特別委員会」(佐久本洋介委員長)の第4回会合が28日、市役所平良庁舎で行われた。現在審議中の2012年度の一括交付金事業を請け負った業者が前日の会見で述べた主張について当局に見解を求めた。これに対して担当職員は、業者主張の一部は認めながらも計量伝票の改ざんの指示については否定。さらに、事業完了報告書と同時に業者が提出したとする「計量伝票」についても「当時は提出されていない」との主張で、当局と業者との言い分は食い違っている。
前日の会見で同事業を請け負った吉信産業側は、事業完了報告書の提出の際に作業状況写真と750㌧の「計量伝票」と、それを集約した「数量票」を提出して報告したが、市の担当職員は「数量票」と「写真」は受け取ったが、「計量伝票」については改ざんを求めて受け取らなかったと主張していた。
これに対して市の担当職員は「写真については受け取ったが、計量伝票は当時見ていないし、提出もされていない。750㌧についての数量票は見たがそのときは受け取っておらず、今年になって県に報告する際に初めて受け取った」と述べた。
計量伝票の改ざんの指示について、委員から「他の職員がやった可能性はあるか」の問いには「そのようなことは無いと思う」と話した。
委員からは「あまりにも業者と市とで主張が違う。それなのに黙っているのは認めていることになる。相手の言い分が間違っているのであれば堂々と会見で主張すべき」との意見が出された。
前回の委員会で提出された資料で数字が一致しなかったり、あり得ない消費税率が記されているなどの問題については当局側のミスであることが説明された。
そのほかにも、同事業で撤去されたとされる750㌧のうち一般廃棄物については市のクリーンセンターで処理することが同事業の業務委託仕様書に記されているにもかかわらず、市にはそれを計量したデータがないことも報告された。
さらに、同事業の報告で使われた写真について「どこの場所の写真なのか分からない」などの意見が出され、そのような報告で会計支出が行われたことにも疑問が呈された。
この日の協議でも、当局側が提出した資料の不備や数字が一致しないなどの問題が次々と噴出。そのたびに協議がストップした。
与党議員からも「皆さんから提出される資料は見るたびに数字が違っている。しっかりとしたデータに基づいて協議すべき。それを見ればこんな状況にならない。その資料がないのであればそのことを審議するべき」との意見も出された。
結局、何度も数字の整合性の問題で議論が暗礁に乗り上げることから、次回の委員会では「市と業者両方が一緒に同席してもらい確認する方が良い」として、業者を呼んで市側と一緒に話を聞きながら議論を進めていくことなどが確認された。