行雲流水
2015年11月7日(土)9:02
【行雲流水】「不可解な論議」
11月5日、本紙に掲載された「不法投棄ごみ問題」に関する市議会調査特別委員会の論議が不可解だ。市の2012年度の決算報告書で撤去された不法投棄ごみは5500㌧と記されているが、実際は750㌧であった。そういう前提の下でのごみ撤去量に関する数字の確認をめぐる論議を特別委員会では真面目に行っているようだ
▼撤去した数量についての計量表や日報(たぶん業務日報)を取り寄せて業務を主管する環境衛生課長や業務受託者を召喚しての調査委員会の審問のようだが、記事の内容を見る限り水掛け論と責任逃れの不毛な論議にしか見えない
▼決算報告書の数字は虚偽であったことはこれまでの調査で分かったことではないのか。一度公にされた数字をいくど改めたところで信頼に値しない。撤去ごみが750㌧だろうが5500㌧だろうが市民にとって、今となっては何の意味もないのだ
▼市当局が法令規則を順守して仕事をしたかどうかに問題があると市民は考えていることを議会は理解すべきだ。不法投棄ごみの撤去事業は業者に支払われたであろう金額からして契約事項であることは否めない
▼契約とはあえて言うと、市長と仕事を受けた相手が契約内容に同意し、双方が記名押印することで成立する。そのことからすれば不法投棄ごみの撤去に関わる契約書に何が記されているか委員会は確認すべきだ
▼契約書の確認もないまま末端の数量にこだわって論議を進めても問題の解決にたどり着けるかどうか定かでない。市民が求めている法令規則に則っての行政運営がなされているかどうかを議会として明らかにしてもらいたい。