補助金交付団体が不法投棄/伊良部佐和田
雑草、雑木を運び捨てる/通報受け、警察も捜査
不法投棄ごみ残存問題が大きな社会問題となる中、伊良部島で新たな問題が発生した。12日午前、伊良部字佐和田の原野(市有地)で、不法投棄の通報があった。取材を進めると、現場にごみを持ち込んだのは土地改良区内の雑草や雑木などを除去するため国、県、宮古島市から補助金を受けて活動を行っている「伊良部地域農地・水・環境保全管理協定運営委員会」のトラック2台だったことから、市や関係機関からも驚きの声が上がっている。
同運営委は、国(50%)、県(25%)、市(同)から、補助金を受けて土地改良区内の雑草や雑木などを除去する活動を行っている。今年度の補助額は約2500万円。
同委員会の会長の男性は「本来は堆肥センターで処理していたが、1カ月ほど前から、この場所にごみを置くようになった。軽い気持ちで今回も一時的においているつもりだった。この場所にあるごみの1、2割程度が自分たちの持ち込んだものだと思う。量の話をしても仕方がないので、もし求められればすべて撤去したい」と話した。
通報者によると、以前から不法投棄の場所となっていたこの現場に、雑草と雑木を大量に積んだトラックが入って行き、その後、荷台は空になって現場から出て来たという。
現場は、高台になっており、雑草や雑木の山が複数箇所に点在している。さらに、高台の上の部分では重機でごみを押して下の原野に落としたとみられる痕跡があり、下の原野には大量の雑草雑木のほか、生活ごみもあった。
この日持ち込まれた雑草と雑木は、前日に行われた美ぎ島宮古グリーンネットの農地防風林帯の育林、補植に向けた雑草の除去作業で出たごみだった。
現場には、通報を受けた宮古島警察署の署員も駆け付けて関係者の捜査を行った。トラックの運転手の1人が無免許運転だったことから、道交法違反で現行犯逮捕された。
今回の行為について宮古島警察署では、「不法投棄」の可能性を含め、捜査を進めている。
市環境衛生課によると、この日の午前に宮古島署から伊良部で不法投棄と思われる事案が発生したことが報告され、ごみの量を計量したいとの打診があったという。