行雲流水
2015年11月21日(土)9:01
【行雲流水】「地球温暖化」
去年の今頃、山茶花の苗木を買った。30㌢にも満たないか細い3本の苗を庭の片隅に植え、それぞれに付いた二つ三つのつぼみの花開くのを楽しみにした。12月になって赤、白、薄紅の花を咲かせてくれたものだ。年が明けると花びらも散って濃い緑の葉だけになってしまったが小さな新芽がその葉の間からのぞいていた
▼夏場を乗り越えて11月になって赤い花を咲かせてくれた苗木に4個のつぼみがついている。あとの二本にはその気配はない。無理もないかと思う。管理が悪いせいだ。あとは気候のせいだろう
▼11月に入っても宮古島は一向に寒くならない。山茶花は、晩秋から初冬にかけて花開くツバキ科の「冬の花」なのだ。立冬はとっくに過ぎ、11月も末だが雪を見たのは北海道だけ。宮古は30度を超す夏の暑さだ
▼案の定16日付でロイターは「世界気象機関(WMO)はエルニーニョ現象が過去最大規模になる」との見通しを立てたと伝えた。15年ぶりの強さだという。エルニーニョ現象は地球の気象に著しい変動を引き起こし大規模な自然災害の原因となったことはこれまで幾度となく報道されてきた
▼日本の気象庁はエルニーニョ現象が「冬季の気温を高くする傾向がある」と指摘している。ユニセフは、エルニーニョの影響で「アフリカの1100万人の子供たちが飢饉(ききん)や水不足の危機にさらされている」と11月10日に警告を出した
▼飢饉や水不足の心配のない宮古島で暖冬だといって山茶花の開花に気を揉んでも仕方のないことだ。飢饉に苦しむ人々の他にも世界中には筆舌に尽くせない惨状にある人々がいることを忘れてはならない。