17年開校が延期へ/伊良部地区小中一貫校
大幅に遅れる可能性も
伊良部地区の小中一貫校として、2017年4月開校を目指していた「伊良部島小学校・中学校」(愛称・結の橋学園)の開校時期が大幅にずれ込むことが本紙の取材で分かった。用地変更や、それに伴う新たな用地取得などで作業が大幅に遅れ、計画通りの開校は困難な状況となっている。さらに、今後の作業工程からも、最も早い開校の可能性は19年4月となる見込みだが、今後の手続きや作業にどれだけ時間を要するかも未知数で、予定より2年遅れの開校に向けても課題は山積している。
こうした状況を受けて宮國博教育長は「現段階では17年開校を目指して作業を進めているとしか言えない。しかし、どうしても間に合わないと判断された場合は市長部局と新たな開校年について調整したい。目の前にある課題を一つ一つ解決して一日も早い開校を目指している」と述べた。
市教委の仲宗根均教育部長は「結果として延期になるという話をするためにも次のスケジュールを決めないといけないがそれができていなかった。現在は次のスケジュールが固まりつつあるので、その目標にどう転換するのかを市長部局と詰めないといけない段階」と説明した。
市教育委員会事務局によると、17年4月の開校の場合は、着工に向けた国に対する事業採択申請を14年5月に済ませていなければならないが、申請には至っていない。
さらに、18年4月の開校の場合でも今年5月に同申請が必要だったが、用地取得に至っていない状況などもあり申請されていない。
19年4月の開校に向けては、来年5月に同申請をしなければならないが、それまでの間に基本設計、実施設計など、事業着手に向けた作業は数多くあり、実際に来年5月に国に申請できるかどうかも微妙な状況となっている。
市教委事務局では「来年5月に申請するにしても同年10月に着手する状況を構築していないといけない。現段階で着手するめどがついていない状況で、さらに今後の手続きや作業にどれくらい時間を要するかも分からない状況ではかなり難しい」と説明した。
さらに「手続きや作業もそうだが、子供たちが過ごす校舎の建設もあまりに急いで後々問題が発生しないためにも慎重にしっかり正規の手続きを踏んでやる必要がある」と述べた。
小中一貫校の建設用地については当初、市カントリーパークの陸上競技場(約2万82約平方㍍)を除く約5万平方㍍に決定していたが、昨年白紙撤回された。
新たな建設予定地は用地選定委員会において、伊良部高校北側が選定されており今後、用地購入、用地造成、測量設計、基本設計の委託業務などの作業が行われる予定となっている。