福嶺中 来春から休校へ/入学、在校生が転校希望
生徒数減で砂川中に/保護者 教育長に「嘆願書」
福嶺中に来春入学予定の同小6年生、同中在校生の1、2年の全保護者(5家族、児童生徒7人)は26日、市教育委員会に砂川中への通学(転校)を希望する「嘆願書」を提出した。保護者らは、現在の中学校の在校生11人が、来年からは7人に減少することを指摘。コミュニケーション力や集団への適応性および競争意識について「保護者として危惧している」として、砂川中への通学実現への取り組みを要望した。宮國博教育長は「皆さんの期待に応えられるよう、行政としてしっかりと取り組んでいきたい」と前向きに応じた。7人の通学が実現し、新たな入学がなければ、同中は来年4月から休校となる。
教育委員会は学校規模適正化に向け、城辺にある福嶺、城辺、西城、砂川の4中学校を2021年度までに1校に統合する計画を示している。
これまで、来間中を下地中に、宮原小を鏡原小にそれぞれ統合したが、今回のように保護者自らが児童生徒の転校を希望する形での「適性化」は初めて。今後波紋を広げそうだ。
嘆願書の提出は、市役所城辺庁舎教育長室で行われ、保護者6人が出席した。
嘆願書によると、「子供たちのより良き教育環境をということで、子供たちの意見を取り入れながら、保護者で熟考を重ねてきた」と明記。転校先である砂川中については「これまで合同部活動(バスケットボール)を中心とした交流で、子供たちにとって馴染みがある」と理由を挙げた。
保護者の一人は「親だけで決めるのもどうかと思い、子供たち7人も一緒にじっくり話をさせていただいた」と述べ、全保護者の総意であることを強調した。
これに対し宮國教育長は「皆さんの置かれている状況は、十分な教育が施せない状況に対する危機感の現れだと受け止めている」と理解を示した上で、「後は手続きの問題で、われわれ教育委員会の中で進める」と話した。
市教育委員会では今後の取り組みとして①保護者と個別に面談し意思確認を行う②学校長は児童、生徒、職員に説明を行う③外部(地域)への説明は学校長及び教育長が対応する-を実施する。
同教委によると、校区外に通学する場合は「許可できる理由」として15項目あるが、今回の場合は「嘆願書の内容などから『部活動を行いたい(続けたい)が、指定校にその部活がないため校区外の学校に通学する』などに当てはまるのではないか」と述べ、校区外への転校は十分な理由があるとしている。