「事業完了後も作業した」/不法投棄残存特別調査委
業者が陳述書で訴え/「指示あった」「していない」で対立
第8回不法投棄ごみ残存問題調査特別委員会(佐久本洋介委員長)が1日、市役所平良庁舎で開かれた。この日は、2012年度の一括交付金を活用した撤去事業の請負業者を参考人招致していたが、業者は出席せず、自らの主張を記した陳述書が示された。その中で業者は、事業終了後も当局からの指示で撤去箇所に散在していた不法投棄ごみを42日間も撤去していたと主張。これに対して当局側は「指示はしていない」と述べ、あくまでも業者側の自主的な行為であるとした。
業者の陳述書によると、同事業が完了した2013年3月25日以降も、当局からの指示で同事業の対象箇所(吉野海岸西の崖下)に残ったごみをすべて撤去するよう指示を受けて、大型クレーン車を使用しながら42日間も作業を実施し、その費用は市側から受け取っていないとしている。
これに対して担当職員は「吉野海岸は最後の現場で、事業完了後に業者の方から『まだ少し目につくものがあるので周辺のごみを撤去したい』との話だったので、気になるのであれば取ってほしいと言ったが、全部撤去するよう指示はしていない」と説明した。
委員からは「同事業の検査調書では3月に『合格』となっている。ちゃんと取れていないのになぜその判断になったのか」との疑問が出された。
これに対して、「合格」の判断を下した環境衛生課の宮国克信課長は「この場所は面積的に大きいので、撤去した場所周辺にも目立つごみがあったという報告を受けていた。7月ごろまで作業しているのは知っていたが数量的にはわずかだと思っていた」と述べた。
垣花健志氏は「これだけの日数をかけて撤去するごみがあったということは、この事業は完了していなかったということになる」と訴えた。
また、上地廣敏氏は「双方の主張が一致しない中で、現在の調査委員会でのさらなる調査は難しい。報告書では『これ以上は調査できない』とし、議会で百条委員会に切り替えて追及するのか、それとも、どちらかが偽証しているのはあきらかなので、議会として告発できるのかについても議員全員で検討すべき」と述べた。
次回の委員会は8日に行われ、会計支出行為に問題がなかったのか、一括交付金事業による撤去作業で回収した不法投棄ごみがどのように処理されたかについて、いまだに説明されていないことから再度、当局に説明を求めるとしている。