「陸自配備の撤回を」/沖縄防衛局に要請書
【那覇支社】「止めよう『自衛隊配備』宮古郡民の会」・「宮古島・命の水・自衛隊配備について考える会」などの共同代表らは4日、嘉手納町の沖縄防衛局を訪ね、中谷元防衛大臣宛の宮古島への自衛隊ミサイル部隊配備の撤回を求める要請書を井上一徳局長に手渡した。井上局長は「皆さん方とは正直言って、意見の違うところはあるが、丁寧に説明していきたい」と述べた。
冒頭、「郡民の会」の下地朝夫共同代表は要請文を読み上げ、「宮古島への配備計画の詳細な全容は、市民には全く伝えられていない」と指摘し、「市民の多くは近隣諸国に緊張を生み出すミサイル部隊の配備や弾薬庫、実弾射撃訓練所などによる地下水や大地、海の環境汚染に大きな不安と疑問を持っており、島内の配備反対の意思表示は日を追うごとに高まっている」と強調した。
その上で、「市民は島を軍事基地へと売り渡すことなく、農漁業・畜産業や観光産業などの平和産業で発展させ、穏やかな未来を子供たち・次世代に引き継ぐことを望んでいる」として、配備計画の撤回を強く求めた。
井上局長は「市民の中に疑問点、心配する点があるのは承知している。水の問題などもしっかり対策を立てた上で、市民に安心してもらえるように説明していきたい」と話した。
下地共同代表が自衛隊配備により想定される具体的なリスクとして、▽米軍と一体化した上陸訓練▽海岸、サンゴなど自然破壊▽下地島空港の軍事利用化▽仮想敵国のミサイル標的▽オスプレイ飛来▽飲料水の地下水汚染ーなどの懸念を訴えた。
宮川均企画部次長は「市の地下水条例のくみ上げと配水に係わるので、建設施設が影響や関連するのであれば、条例に基づいて適切に対処したい」とした上で、「宮古島市長から、いろいろな疑問点について住民に説明するよう要請を受けているので、市側と調整して対応したい」と述べた。
宮古島市議会議員の「宮古地区自衛隊配備を考える議員連盟」(垣花健志代表)は11月20日に沖縄防衛局に対し、自衛隊員(妻帯者)官舎を6~7カ所50世帯規模で分散建設▽配備地域振興策として「振興交付金(仮称)」の創設▽雇用・物品購入(事務用品、食材など)の地元優先▽周辺住民への緊急医療の受け入れ対応-の4項目を要請。受け入れ賛成の立場を明確にしている。