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社会・全般
2015年12月6日(日)9:07

高齢者の交通安全強化を/宮古島警察署協議会

高い免許保有率受け/「自主返納の環境づくり必要」


各委員から警察にさまざまな意見や提言があった第3回宮古島警察署協議会=4日、宮古島署

各委員から警察にさまざまな意見や提言があった第3回宮古島警察署協議会=4日、宮古島署

 警察行政に市民の声を反映させる宮古島警察署協議会(砂川勝栄会長)が4日、同署で開かれた。この中で、宮古地区における70歳以上の運転免許保有率(昨年10月現在)は約15%で、沖縄本島の約8%のほぼ2倍に当たることが示された。改めて高齢者の交通安全に向けた地域一体での取り組み強化を共通認識とした。車の運転に不安を持っている高齢者がいることも報告され、運転免許証を自主返納しやすい環境づくりが必要との意見も出た。

 今年3回目となる協議会には3人の委員が出席、今年1年間を通じた警察署の活動への意見や提言を行った。

 高齢者の運転で、自身の経験や父親の運転技能を取り上げた委員は「年を重ねるとともに動作が緩慢になり、俊敏な動きができなくなる」と強調。「ブレーキとアクセルを踏み間違えて事故を起こしたという報道を見るたびに不安を感じる」と話し、運転に不安を持つ高齢者が運転免許証を自主的に返納しやすい環境づくりが必要ではないかと提言した。

 これに対し瑞慶山力署長は、沖縄本島に比べて高齢者が車を運転する機会が多いのは▽公共交通機関の利便性が悪い▽畑に行くために利用する-などが背景にあると指摘。高齢者の交通事故を未然に防ぐためにも、「なぜ車を運転するのか、なぜ車を運転しなければいけないのかを把握し対応する必要がある」として今後、広報活動などを強化する方針を示した。

 宮古島署管内では、今年10月末現在で交通人身事故は件発生。うち、高齢者が加害、被害で絡むのは34件で昨年同時期と比べ10件増えている。

 高齢者が加害者となっているケースが増加傾向であることから同署では「運転に必要な身体能力は加齢とともに低下する。自らの身体能力を確認し、身体能力に合った慎重な運転を心掛けてほしい」と話している。

 協議会ではそのほか、女性委員が配偶者などからの暴力(DV)で悩んでいる人たちが、いつでも相談できる環境づくりを警察に求めた。

 「警察に相談に行くのではなく、警察官が来てくれることも必要」と語り、市民にとって身近な警察官であってほしいと要望した。

 また、「相談窓口をポスターやチラシで周知しているとは思うが、実際は知らない人が多すぎる」と述べ、市民の集まる場所に参加して、情報を積極的に提供してもらいたいと訴えた。

 別の委員は、伊良部大橋で車両を止め景色を眺めている観光客が多いことを報告。「勾配の変化により死角の部分があり、その先の車を確認することができない」と述べ、事故の未然防止を図る観点から標識や看板の設置を訴えた。

 各委員から意見や提言を受けた同署では、改善に向け前向きに取り組む考えを示した。

 瑞慶山署長は美ぎ酒飲み運動などの取り組みを紹介した上で「運動を一過性にせずに継続していくことが大切。マンネリ化を打破し、運動の浸透、継続を図るため、さまざまな工夫で取り組んでいきたい」と述べ、委員らに引き続き協力を呼び掛けた。


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