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行雲流水
2015年12月15日(火)9:01

【行雲流水】「あっぱれカメじい」

 あっぱれ亀おじい。スポーツ仲間たちは亀濱敏夫さん(90)のことを愛称で「亀おじい」と呼ぶ。「カメさんはウサギより速い世界のカメさんになった」とマスターズ陸上競技沖縄宮古支部長の平良耕次郎さんは喜ぶ

▼亀濱さんは、岐阜県で開催された第36回全日本マスターズ陸上競技選手権大会に出場、M90(90~94歳)の部で400㍍、800㍍、1500㍍で優勝、3種目で世界記録を更新した。この快挙により、大会の最優秀選手にも選ばれた

▼亀濱さんの400㍍の記録は1分34秒83で、従来の1分35秒04を更新した。800㍍は3分39秒7で、3分50秒25を、1500㍍は7分37秒8で、8分01秒74を更新した。いずれも、驚異的な世界新記録の樹立である

▼今日、各種のスポーツが盛んで、明るい社会の実現のために大きく寄与している。一方で、ドーピングや暴力、不祥事などが後を絶たない。また、過度の商業主義や勝利主義、国威発揚の手段化などにも問題がある

▼そうした中で亀濱さんの存在は世界的な競技者の中でも特異であろう。耕次郎さんの話によると、亀濱さんの日常は、早寝早起きをして、歩きまわる。後は軟式テニスを楽しみ、晩は菜食中心の食事をとり、晩酌も欠かさない。もちろんコーチはいない。自らの身心と相談してマイペースで競技に備えて練習をする。これで、世界一である。威張ることをせず、謙虚で誠実な人柄が、みんなから信頼され慕われているという

▼ちまたでは、亀濱さんの快挙を称える声がいまも続いている。カメおじい万歳!

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