転校認める方向で検討へ/福嶺中保護者「嘆願書」
教育長「親の意向尊重」/生徒数ゼロなら休校措置
宮國博教育長は16日、来春、福嶺中に入学する小6年生と、同中在校生1、2年生の全保護者(5家族、児童生徒7人)が市教育委員会に砂川中への通学(転校)を希望する「嘆願書」を提出した件で、「『地域の人たちとよく話し合いなさい』ということもあるだろうが、子供たちの教育を考える場合は、義務者たる親の意向は重いものがある」と述べ、転校届け出が提出され、その理由が正当であれば認める方向で検討を進める考えを示した。次年度に同校の生徒数がゼロになった場合は「現段階では休校にしておきたいと考えている」と述べた。
開会中の市議会(棚原芳樹議長)12月定例会一般質問で、新城元吉氏、垣花健志氏への質問に答えた。
市教育委員会は先週、嘆願書を提出した5家族のうち3家族(保護者)と個別に面談した。同委員会によると、3家族は砂川中へ転校する意思を伝え、「転校届け出書」を持ち帰ったが、16日現在で提出されていないという。残りの2家族とは日程などの都合で、個別面談は行われていない。
答弁で宮國教育長は「保護者がそれぞれの意向で、今の状態よりもっと良い教育環境の学校に移りたいと言っている」と述べ、現在の生徒数11人から、来年は7人となる同校の現状を示唆。その上で「これは親と子供の問題で、ここ(教育委員会)では、ちゃんと保護者と話し合いをしながら、子供の意向も十分くみ取りながらこの問題については対応していきたい」と話した。
休校の可能性については「生徒がいなくなると行政的措置としては、休校という形になる」と説明。教諭については「県教育事務所と相談しながら、しかるべき場所に移ってもらう流れになる」と述べた。新城氏への答弁。
施設や備品などは市教委で管理するとし「次年度に入学希望者が来た場合は、その時はその時なりの状況等を勘案しながら、開校するか休校のまま置くのかはその時点におけるところの教委の判断になる」と語った。垣花氏への答弁。
市教育委員会によると、通学指定校の変更は「許可できる理由」として15項目あり、それに該当すれば認められる。
宮國教育長は「校区については柔軟に扱うというのが市教委の考え」と述べ、保護者から転校の届け出が提出されれば 状況などを勘案し正当な理由に該当するかどうかを適正に判断する方針を示した。新城氏への答弁。
保護者が提出した「嘆願書」には「来年度には生徒数が10名に満たない教育環境になり、子供たちの社会性の形成に重要な時期である中学時代において、多様なコミュニケーション力、集団への適応性や競争意識につきまして、先生方のご尽力だけでは克服し難い状況なのではと危惧している」と明記。砂川中への転校については「これまで合同部活動(バスケットボール)を中心とした交流で、子供たちにとって馴染みがある」などと理由を挙げ、時期については「平成28年度に新1、2、3年生となる全ての者が、砂川中へ通学する事が実現できますように取り組みをお願いしたく、ここに署名致します」と記し、宮國教育長に手渡した。