入手の必要性否定/陸自配備候補地調査報告書
市長「具体的申請受け判断」
下地敏彦市長は16日、宮古島市議会12月定例会本会議の中で、宮古島への陸上自衛隊配備計画の候補地選定のために防衛省が実施した調査報告書について、市として入手する必要性を否定し、防衛省が候補地を絞り込み、具体的な場所の申請が市に行われてから判断する考えを示した。上里樹氏の一般質問に対する答弁。
上里氏は、共産党が陸上自衛隊配備候補地となっている大福牧場と千代田カントリークラブの2カ所についての報告書を独自に入手したことを紹介し、市でも取り寄せているか否かを確認するとともに、大福牧場周辺の調査地域は一部が水源地に掛かっていながらその点についての記述がないこと、千代田カントリークラブの調査範囲がゴルフ場の2倍の面積となっていながら隣接する千代田集落についての記述がないことを指摘し、「ずさんな調査」との考えを示し、下地市長の見解をただした。
それに対し下地市長は、報告書の取り寄せは行っていないと答弁。その理由については、防衛省による調査は配備場所の適地を調査し、絞り込みをするためのもので、今後、具体的に絞り込んだ候補地が市へ申請されれば、市ではその申請を関係法令に照らして判断するものとした上で、「事前調査までなぜ市が取り扱わなければならないのかその趣旨が私にはよく分からない」と報告書入手の必要性を否定した。「ずさんな調査」との指摘に関しては「調査内容の良しあしは発注者が判断すること」と答えるにとどめた。
上里氏が「取り寄せて市独自の分析をすべきではないか」と再度、質問したところ下地市長は「あくまで候補地選定のための調査。具体的にここでやりたいとの申請が挙がってきた時点で私がきちんと調べると言っている。なぜそのことが理解できないのか」と強い口調で入手の必要性を改めて否定した。