構想実現施策案など審議/地域医療構想検討会議
県による地域医療構想策定に向け地域から意見を聞く2015年度宮古地区地域医療構想検討会議の第3回が17日、宮古福祉保健所で開かれた。参加者たちは宮古医療圏内で完結すべき医療や圏域から流出することが認められる医療の種類、構想実現のための施策案などについて意見を交わした。
地域医療構想とは、団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え、その地域にふさわしいバランスの取れた医療機能の分化と連携を適切に推進するために各都道府県で策定されるもの。県では今年度中の策定を目指し、県と県内各圏域に検討会議を設置し審議を進めている。
第3回会議では事務局が、適正病床数の算出に影響する患者の流出入の調整方法について、がんや救急医療を①宮古医療圏で自己完結すべき医療②宮古医療圏で自己完結することが望ましい医療③宮古医療圏を超えて提供されることが認められる機能④県で集約化を促進させるべき機能-に分けて整理する考え方を説明。患者数が多い大腸、肺、乳房、胃、前立腺の「五大がん」の手術は②に、それ以外のがんの手術は③とする案を提示した。
地域医療構想実現のための宮古医療圏域での今後の施策案としては、地区医師会と病院との定期的な施設長連絡会議の開催や地域の医療、介護資源の把握、回復期リハビリテーション病棟または地域包括ケア病棟への病床機能転換に要する施設、設備の整備支援、不足している専門医師、看護師などの安定的な人材確保のための取り組みなどを挙げた。
参加者からは、高齢者が増えることで手厚いケアが必要となる合併症患者の増加が見込まれ、現在の看護師数では対応できなくなることを懸念する意見などが示された。