キビ年内操業推進で一致/宮古地区生産組合
役員、支部長会議で了承
宮古各地区のさとうきび生産組合は25日午後、JAおきなわ宮古地区本部で役員・支部長合同会議を開き、サトウキビの年内操業を推進する方針で意見を集約した。29日には農業振興会長の下地敏彦市長が各製糖工場に要請するが、この中で生産者の意向として報告される見通し。工場側の判断が注目される。
合同会議には各地区生産組合の役員、支部長の約80人が出席。農業研究センター宮古島支所や宮古農林水産振興センターの説明を受け年内操業のメリットなどを確認した。
説明では年内操業を実施した場合の生産量や反収、農家所得を試算した内容が報告された。農家所得については操業の前倒しに伴う低糖度で減少するなどと指摘し、1カ月分の収穫量に対する減少額はトン当たり1233円。糖度は約1度下がることを想定した。
一方で、早期収穫による株出し栽培の実践で収穫面積と全体の平均反収が向上すると試算。また、株出しは夏植えに比べて経費率が低いため、結果として農業所得は12%増加すると総括した。
営農に関する効果も示され▽カボチャおよび枝豆栽培等との輪作による所得向上(土地の有効活用)▽降水確率の観点から農業機械の稼働率向上が見込まれる▽梢頭部利用による畜産飼料としての活用▽早期ロータリーによる病害虫の被害拡大防止-が挙げられた。
この説明を受けて城辺生産組合の照屋秀雄組合長は「農家所得の向上が数字で示された以上、早期操業に反対する理由はない」と推進の立場を強調。その上で「われわれ生産者としては、研究機関のまとめを信頼して努力していく」と述べ、株出し栽培の拡大に努める決意を示した。
ほかの役員や支部長にも異論はなく、年内操業を推進する方針を決定。参加者全員の拍手で了承した。