宮古島市 高い80代の自殺割合/宮古福祉保健所まとめ
背景に「うつ病」など/「地域活動」参加でリスク軽減
宮古福祉保健所が昨年まとめた宮古島市における「高齢者自殺予防に関する分析」によると、80歳以上の自殺者割合が全国や県と比較して高いことが分かった。市の高齢者における自殺者の原因・動機別では「身体の病気」が最も多いがその次に「うつ病」となっている。うつ病のリスクを減らすためには「地域活動への参加」「社会的役割を高める」などが効果的で、それが高齢者の自殺予防になると分析している。
今回の分析は、2011年に市の介護長寿課が「市高齢者福祉計画並びに介護保険事業計画」作成時に65歳以上の住民を対象に行った「日常生活・健康度チェック調査票」における1055人のデータを対象に分析した。
「うつリスク」について市の男女別では、「リスクあり」が男性が32・2%、女性が34・1%。年代別では、60代が21・1%、70代が30・1%、80代が一気に伸びて45・1%。90代は56・0%となっている。
家族構成では「家族などと同居」が29・8%に対し、「一人暮らし」は40・3%。その他(施設など)は54・5%となった。
収入のある仕事の有無については「収入あり」15・8%に対して「収入なし」は37・0%。暮らしについては「ゆとりあり」が21・6%に対し「ゆとりなし」が40・5%と高くなっている。
また、買い物の外出頻度でもそのリスクに差が出た。「週4回以上」が16・9%に対して、「週3日以下」は倍以上の39・0%となったほか、「散歩の外出頻度」でも「週4日以上」が25・6%に対して「週3日以下」は36・5%と高くなっている
そのほか、祭り、行事、自治会、老人クラブ、サークル、ボランティア活動など「地域活動」についても「参加あり」が24・3%に対して「参加なし」が44・2%とハイリスクになっている。
社会的役割については「高群」が18・9%に対して「低群」が51・1%とそのリスクは高くなっている。
分析のまとめでは、宮古島市の高齢者のうち、「施設などで生活している」「収入のある仕事をしていない」「暮らしにゆとりがない」「買い物への外出頻度が週3日以下」「散歩の外出頻度が週3日以下」「地域活動への参加がない」などがうつリスクと関連すると分析している。
今後の高齢者自殺予防における活動については「高齢者サロンや老人クラブ、婦人会など地域の社会的資源を生かし、各地区の特徴に応じた活動を展開することで生きがいや社会的役割を高め、健康で生き生きと暮らすことができる地域づくりが実現可能になる」とまとめている。