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行雲流水
2016年1月14日(木)9:01

【行雲流水】「時勢」

 年頭のテレビ番組「今年の予測」は、希望的観測に傾きがちだ。だが、今年の国際情勢の見通しには地震予知にも似た不安材料が多かった。波乱含みの年になりそうだ


▼国内経済は、安倍総理の「経済成長の果実を賃金と設備投資に回せ。それが景気の好循環につながる」との掛け声で始まった。だが中小企業経営者は「1~2カ月先までしか見えないのに1年先を見越した決断などできない」と渋る。総理は狸を追いかけ、経営者は皮算用をしているようだ

▼沖縄では相変わらず政治談議が盛んだ。今年最大の関心事は選挙(民意)と裁判(法治)の行方であろう。結果をふまえて頭と心の整理整頓が必要になるが、政府や県の要人は柔軟な対応ができるのかどうか

▼「政治」信念の違いはあって当然。しかし「行政」の場でガチャンコ対決が続けば、解決策はオールorナッシングになりがちだ。内発的な自律型経済を構築するためにも、国の制度的・資金的支援はなお必要だと思われるが、その実現過程で支障が出ないかどうか気がかりだ

▼ともあれ宮古経済は、砂糖をめぐるTPP交渉が一段落し、一息ついたところだ。畜産は、肉質の高級化や経営安定化策など新たな発展方向が模索されつつあり、注目したい

▼最大の課題は観光関連産業(ホテル、飲食、社交、交通運輸、土産品など)にありそうだ。施設や設備の整備、接客態度やシステムなどの改善が進めば飛躍的な発展が期待できる。魅力的な資源「海」と「橋」を生かして明るい展望を開きたいものだ。

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