長雨 ほ場整備に影響/重機が現場入れず
工事遅れ、年度内完了厳しく
長雨の影響で重機や大型トラックが現場に入れず、市が進める公共工事に大幅な遅れが出ている。特にほ場整備への影響が大きく、年度末を前に、発注した市や工事を受注した業者は、工程変更などで頭を抱えている。全体の工事の進ちょく状況は、昨年12月現在で70%前後と、例年に比べ約10%落ち込んでいる。年度内完了が厳しい事業もあり、市では次年度への繰り越しも視野に入れて計画を展開する。
宮古島地方は昨年12月上旬ごろから、気圧の谷や湿った空気の影響で雨や曇りのぐずついた天気が続いている。
昨12月1日から1月10日までの降水量は、いずれの観測点で平年値の2倍を超えた。
気象台は長雨に関する気象情報を発表。2月中旬までは降水量の多い状態が続くと見ている。
この長雨の影響で、市が発注したほ場整備工事は支障を来している。
市農林水産部によると平良、城辺、下地、伊良部地区で進めている計6カ所のほ場整備工事に大幅な遅れが出ている。
ほ場整備工事地区内には、収穫を待つサトウキビの畑も多く、市農地整備課では「収穫後に工事に入る予定だったが、長雨でハーベスターが稼働しないため悪循環となっている」と話している。
晴れ間を縫って工事を進めようにも、長雨で地盤が緩くなっており、しばらくは重機や大型トラックが現場に入れない状況が続いているという。
ほ場整備を請け負う建設業者の代表は「まず、客土(他から土を運び入れること)ができない。雨でも作業ができるのは石積みだけ」と限られた作業にやきもきしている。
工事を完了させ、農家に畑を引き渡してキビの夏植えに間に合わせたいところだが「このままの状況だと厳しいと言わざるを得ない」(同建設業者)
市農水部の砂川一弘部長は「農家への引き渡しが遅れると、予定していた作物の植え付けが遅れ、農家収入にも影響を与える可能性がある」と懸念を示した。
工事は年度内完了が望ましいことから、次年度への繰り越しは職員負担が大きくなることも指摘。「晴れてくれることを祈るしかない」と語った。