完了時に残存把握/担当職員が認める
不法投棄ごみ残存問題 提出資料の質疑終了
市議会の第13回不法投棄ごみ残存問題調査特別委員会(佐久本洋介委員長)が22日、市役所平良庁舎で開かれた。2014年度に市の予算で実施した不法投棄ごみ処理事業において、同事業完了時に現場を確認した市の職員が友利の現場にごみが残っていることをすでに把握していたことが分かった。そうした中で同事業の検査調書には「適否」の項目で「適」。「成績」の項目では「良」とし、同事業は合格の判断が下されていた。この日の委員会で提出資料に対する質疑は終了。次回以降は報告書のまとめ作業となる。
撤去事業完了時に現場を確認したのは公文書改ざんとデータのねつ造を行った環境衛生課の課長補佐と職員。
亀濱玲子氏は「皆さんは何を根拠に検査調書で合格の判断を下したのか」との質問に、職員は「友利の現場は実際に下まで降りて確認し、まだ確かにごみが残っているのは確認できたが、保良の2カ所は上の方からしか見ていないので下にこんなに残っているということは確認していない。作業写真などは見たが本来ならば下まで降りて検査するべきだった」と述べた。
課長補佐は「完了時は下に降りられるような状況ではなかった。合格を出したのは作業を見て重機も適正使用しているのでそれを判断材料にした」と説明した。
そのほかにも、事業期間中は一度も保良の撤去箇所については下まで降りて確認することはなく、最初に現場に降りたのは本紙がこの問題を紙面で取り上げた後に降りたことを説明した。
この日の委員会でも、市が作成した文書の不備が次々と判明。同事業を請け負った業者が過去に実施した事業の契約書でも、契約期間に明かな間違いがあったにもかかわらず副市長の決裁を受けて事業が実施されていることも明らかになった。
また、市とこの受注業者との契約において「契約保証金が免除」となっていたが、市の契約規則上の免除条件を満たしていなかったことも判明した。
そのほか、同事業の会計支出が5回に分割されて支払われたことについて当局は、各月の委託料支払い時に、どのように事業が進められて、どのような状況だったかを確認しないまま、契約が月払いとなっていることだけで支払っていたことを認めた。
この日の委員会で当局が提出した資料に対する質疑は終了したが、資料の不備やミス、ずさんな行政手法などが次々と出てくることを受け、委員からは「出てきた資料が本物かどうかもわからない」「疑心暗鬼でしかない」などの声も聞かれた。