宮古島市 381億円を最終内示/16年度予算案
11%増で過去最大/図書館建設費21億円など要因
宮古島市は5日、2016年度一般会計当初予算案を最終内示した。総額は過去最大の381億200万円。前年度比37億円(11・0%増)の大幅な伸びを示した。新規事業の未来創造センター(図書館と公民館の複合施設)建設21億9000万円、継続事業のスポーツ観光交流拠点施設11億円、リサイクルセンター建設4億円のいわゆる「ハコモノ」ほか、農山漁村活性化対策整備事業(基盤整備)15億円を計上したことが要因。
15年度で普通交付税の合併算定替えによる満額算定(合併による特例)が終了し、16年度~20年度までの5年間で段階的に引き下げられる。総額では約30億円が削減される見通しだ。
16年度は約3億2000万円の減が見込まれており、合併振興基金や庁舎等建設基金から繰り入れて対応する。
歳入全体に占める市税などの自主財源は64億1700万円(構成比16・8%)。地方交付税などの依存財源は316億8500万円で全体の83・2%を占めた。
市税は徴収率や個人住民税の伸びなどで前年度比4・4%増加したものの、全体の事業費が増えたため自主財源比率は前年度より1ポイント低くなった。国や県に頼らざるを得ない財政状況がさらに顕著になった。
歳出の義務的経費は167億4700万円で、構成比は44%と最も大きな割合を占めた。
このうち、人件費は、前年度比3億8000万円(6・2%)減少したが、扶助費は73億700万円となり、前年度比6億4900万円(9・7%)増加した。
投資的経費101億5400万円(構成比26・6%)の内訳は▽補助事業費72億1900万円(前年度比11億2700万円増)▽単独事業費26億4100万円(同19億8900万円増)-などとなり、いずれも大幅に増加した。
新規事業は▽地域産婦人科医療施設整備助成金▽畜産・酪農収益強化整備等特別対策事業(簡易牛舎整備)▽学校給食民間委託(平良調理場)▽沖縄子ども貧困緊急対策費▽保育体制強化事業▽空き家等再生推進事業▽産地水産業強化支援事業-となっている。
沖縄振興特別推進交付金いわゆる一括交付金(事業費ベース)の宮古島市配分10億円と、特別枠6億円を活用してソフト事業(一般的に市民サービスなど形として残らないもの)、ハード事業(建物など一般的に目に見える事業)を実施する。
国民健康保険などを含む特別会計は170億2600万円で、一般会計と合わせた総額は551億2800万円となり、前年度に比べ43億8700万円増加した。
市は新年度当初予算案について、「新市建設計画におけるリーディングプロジェクト及び沖縄振興特別推進事業の推進、市総合計画に沿った街づくりを実施し、市民サービスの質の向上を図ることと位置づけた予算編成を行った」としている。
新年度当初予算案は、最終調整を経て、庁議で正式に決定し、3月2日開会予定の市議会3月定例会に提案される。