トゥリバーに展開か/PAC3
北朝鮮の事実上の弾道ミサイル発射予告で、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が宮古島市平良のトゥリバー地区に展開される方向で調整が進められている。5日、分屯基地の石岡顯一郎司令が下地敏彦市長に説明し、基地外での設置に理解と協力を求めた。下地市長は所有者との交渉を促し、一部の市有地については協議に応じる考えを示した。基地外での展開には、一部で強い反発も予想される。
北朝鮮は、8日から25日の午前7時30分から午後0時30分(日本時間)までの間に弾道ミサイルを発射すると予告している。
これを受けて4日、空自のPAC3を積んだ海上自衛隊の輸送艦が広島県呉市の呉基地から沖縄方面に向けて出港。宮古島の下崎埠頭(ふとう)には7日に到着するものとみられる。
PAC3の展開に関する市長への説明は、冒頭以外は非公開で行われた。石岡司令は「(基地では)展開するスペースが狭い。一部の機材を、基地の外に展開したい」と話し、下地市長に理解と協力を求めた。
面談後、下地市長が報道陣の取材に応じ、PAC3の展開場所としてトゥリバーを使用する意向が示されたという。これに下地市長は、トゥリバーの大部分が売却されているため、使用するに当たっては所有者と交渉するよう促した。
下地市長は「一つは野原基地だが、工事中で全部が置けないから残りはトゥリバーでやりたいということだった」と説明した。
12年12月に続くPAC3の展開には「市民の生命と財産を守るのが市長としての最大の責任。そのための方策として(PAC3)を配置する必要があるというのであれば、それは対応していきたい」と述べた。
トゥリバーは、13年9月に防衛省がPAC3の展開地として調査を実施した候補地の一つ。この動きを受け、平和運動センター宮古島など2団体が市有地の使用を認めないよう下地市長に要請した経緯がある。