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社会・全般
世界食料デー(行雲流水)
「飢えて死んでいく子どもたちの前で文学は有効か」。戦後日本の思想・文学界に大きな影響を与えたサルトルの投げかけた言葉である。その後、状況は好転せず、現在世界で10億の人が飢餓に苦しんでいる
▼こうした悲惨な現実の中で、国連は毎年10月16日を「世界食料デー」と定めた。「世界の人々に広く食糧問題の重要性を知ってもらい、飢餓、栄養不足、貧困を克服するために国際的な協力を一層推進すること」を目的としている
▼開発途上国・地域の貧困の原因は生産性の低さだけによるものではない。一つには、先進国に有利なグローバリズムによって、地域の食と農業の自立を困難なものにしている。さらに世界的な経済不況、多発する自然災害による被害、戦乱による生活基盤の破壊などがある
▼状況は厳しいが、問題を考え行動するのは一歩から始まる。宮古でも世界の人々と呼応して「世界食料デー・宮古大会」が20日、実行委員会、日本国際飢餓対策機構の主催で開催された
▼大会では、同機構のボリビア駐在スタッフの小西小百合さんが現地報告を行った。子どもの7割が栄養不良だという最も貧しい地域チャヤで、小西さんたちスタッフは現地の人々と協力して、高等学校を新設、遠方からの生徒のために学寮を建て、栄養改善のために農業指導を行った。自立開発支援が基本で、今では政府が給食費を負担、卒業生は社会の発展に寄与している
▼今大会はスローガンに掲げている「私から始める 世界が変わる」。