空き家対策に本腰/宮古島市
数や危険度など調査へ/新年度予算に台帳作成費
宮古島市は新年度から、空き家対策に本格的に取り組む。初年度は約1000万円をかけ、空き家や「特定空き家」(放置すると倒壊など保安上の危険がある家)を調べ、台帳を作成する。また、弁護士ら専門家などで構成する協議会を設置し、所有者らに撤去や再生についての指導・助言などができるよう対策計画を策定する。適切な管理が行われていない空き家などが防災や衛生、環境など、地域住民の生活環境に影響を及ぼしていることから、その改善を図ることが目的。県内初の取り組みという。
この取り組みは、2014年5月に全面施行された空き家対策特別措置法により、危険な空き家の所有者に市町村が修繕などを勧告し、最終的に行政代執行で強制撤去できる制度が整ったことが背景。
新年度で計画されている空き家実態調査では①空き家所在の把握②所有者等の意向調査及び分析③実態調査の報告書作成④空き家台帳の作成-を実施し、データベースの構築を行う。
次年度では建築家や弁護士などの専門家で構成する協議会を設置し、空き家対策計画を策定する。
3年目では、同計画に基づき、市の空き家適正管理条例を作成、施行を目指す。
市ではまた、倒壊などの危険がある空き家の撤去を促進するため、住宅用地にかかる固定資産税の特例措置を見直し条例化したい考えだ。
住宅用地には、面積200平方㍍までは税負担を6分の1に軽減するなどの特例措置がある。住宅を取り壊して更地にすると負担が跳ね上がるため、空き家の放置につながっているという。
市建築課(多良間雅三課長)では「危険な空き家の建つ土地については特例の適用対象外とするなど、所有者らが撤去のしやすい環境づくりを構築していきたい」と話している。