時本九段らが指導碁/松竹梅囲碁沖縄大会
県内で初開催
【那覇支社】松竹梅囲碁大会沖縄大会(主催・日本棋院、宝酒造、協力・県囲碁連盟)が6日、那覇市の市町村自治会館で開催された。同大会が県内で開催されるのは初めて。県内各地から102人の囲碁愛好者が参加し新春に囲碁と酒を楽しんだ。プロ棋士の時本壱(ときもと・はじめ)九段(知念かおり五段の師匠、那覇市出身、日本棋院東京本院所属)と坂口隆三九段(京都府出身、日本棋院関西総本部所属)による指導碁も行われた。
指導碁はプロ棋士が3人を相手に打つ「3面打ち」で行った。時本九段が指導した相手のハンディは4~9子。アマらは時本九段のヨミの入った鋭い着手に圧倒されていた。対局後のユーモアあふれる解説が好評。上達のために①弱い石を作らない②3手先までヨム③石を取りにいくと負けやすい-などを助言した。
5子置いて打った新川善正さん(西原町)は「早くて正確な読みが素晴らしい。くせを指摘してもらい勉強になった」と感想を語った。
時本九段は体調を崩し2014年にプロの公式戦を引退。現在は良くなり指導対局を中心に活動している。「今後は囲碁普及活動に努めたい」と抱負を語った。
知念五段は1989年日本棋院の院生テストに合格。翌年、時本九段の内弟子となり92年プロ採用試験本戦で優勝し、93年念願の入段を果たした。
知念五段はビッグタイトルの女流本因坊を通算4期、女流棋聖を通算5期獲得するなど女流棋士の第一人者として名声を博した。しかし最近2、3年の成績はやや低調。一転、昨年は女流本因坊の挑戦者決定戦まで勝ち進むなど、持ち前の力強くて切れ味鋭い碁が見られるようになった。
時本九段は「かおりの碁は内容が良くなった。何年かのうちにタイトルを取り、宮古の皆さんにうれしい報告ができると期待している」と話した。時本九段はこれまでに10回以上宮古島を訪れ、宮古の囲碁ファンと交流した。知念五段のプロ碁界入りを世話したこすみ囲碁教室の池間博美さんや宮古毎日新聞社の真栄城宏会長らと親交が深い。