不利性克服に期待/第4回沖縄離島ICTシンポin宮古
教育現場での効果紹介/遠隔授業と見聞機会創出
「第4回沖縄離島ICTシンポジウムin宮古島」(主催・県企画部地域・離島課)が12日、県宮古合同庁舎で開催された。会場には行政や教育関係者らが詰め掛け、その内容に聞き入った。情報通信技術(ICT)が教育現場に及ぼす効果として、教師と児童生徒がより「つながる」道具となるほか、教室と外部をつないだ授業の展開が可能となり、地理的制約を超えた多種多様な授業が受けられ、見聞機会が創出できることなどが紹介された。
主催者あいさつで、県宮古事務所の久貝富一所長は「ICTは、情報格差など離島の地理的不利性解消に極めて有効。今回のシンポジウムを通して、その果たす役割について理解が深まることを期待している」と述べた。
基調講演では、茨城大学教育学部の小林祐紀准教授が「ICTを広げ、離島の教育現場に定着させていくには-活用事例で分かったこと-」をテーマに講話した。
小林准教授は、ここ数年で電子黒板やタブレットなどが一気に普及している数値を示しながら、ICT整備が急速に進んでいることを説明した。
さらに、教育現場でもそれらを活用した授業展開で、子供たちにより分かりやすく、学ぶ意欲が喚起される授業の在り方についても紹介した。
小林准教授は「ICTは、冷たいものではなく、人間関係をより深めるために活用できるということを理解してほしい」と呼び掛けた。
また、「ICT利活用のための事例紹介」では、富士通やNTT西日本がこれまでの取り組みや活動成果などを報告した。
NTT西日本は、インターネットに接続された電子黒板などを介して、遠隔地のさまざまな施設や専門家とリアルタイムでつなぎ、講義や質疑応答を行う「つなぐ授業」が展開できることなどを紹介した。
そのほか、「離島の教育現場における道具としてのICT利活用とは-ICTは難しくない-」のテーマで、パネルディスカッションも行われた。
会場に訪れた人たちは、電子黒板や児童生徒が活用するタブレットを活用して、それぞれの教室が世界とつながり、これまでは体験できなかった授業を受けることが可能になるICTの有効性について真剣な表情で聞き入っていた。