教育費 低所得層で年収超え/入学費の割合は71%
離島住民ほど負担重く/沖縄公庫調べ
沖縄振興開発金融公庫の教育資金を利用する世帯年収200万円未満の年収に占める教育費(主に高校卒業後の費用)の割合が、県全体で110・3%、離島居住者は129・3%に及ぶことが分かった。低所得層ほど負担が重い。1人当たりの入学費は、県全体が148万9000円で離島は169万5000円。年収に占める割合は県全体が59・9%、離島は70・9%だった。離島住民ほど負担が重く、子供の教育費の捻出に苦慮している実態が浮き彫りとなった。
調査は、沖縄公庫が教育資金利用者の実態と動向を把握するために実施。直接貸付の2044件を対象に▽利用者の社会的属性▽教育費の支出状況▽教育費の負担割合-などを調べた。
社会的属性として、利用世帯の年収は県全体が379万5000円、離島は351万1000円と県全体より28万円余低かった。
学生1人当たりの入学費の差は住居費が要因だ。学校への納付金に大きな差はないが、進学先での住居費は県全体の26万6000円に対して離島は44万9000円。比較して2倍近くになる出費が離島住民の家計に重くのしかかっている。
学生1人当たりの年間の在学費は県全体が111万1000円、離島は118万7000円と、ここでも離島の負担が大きいことが数字で示された。
離島住民の年収に占める入学費の割合は70・9%で県全体より11ポイント高い。80%以上も3割を占めた。在学費の割合は県全体が50・5%、離島は60・4%。
教育費の負担割合は沖縄全体が高い傾向にあり、全階層で全国水準を上回っている。今回の調査では、その中でも離島住民の負担割合の高さが際立った。特に年収200万円未満の世帯では年収の1・3倍もの教育費を負担している。沖縄公庫は「家計のみで対応することは困難な状況」と厳しい現状を指摘している。